2017年9月8日
渡辺 忍
市民ネットワークの渡辺忍です。通告に従い、議案質疑を行います。
はじめに、今定例会に提出されました議案のうち、
1 議案第98号 千葉市一般会計補正予算(第2号)
(1)子どもの貧困対策総合コーディネート事業について 伺います。
これは千葉市こども未来応援プラン(子どもの貧困対策推進計画)に基づき、子ども一人ひとりの家庭環境に寄り添い、支援先に繋げる「子どもナビゲーター」について、モデル事業実施のために所要の経費を計上するものです。
本年、第一回定例会にて一般質問でも取り上げましたが、千葉市こども応援プラン策定時に新たに計画された事業として期待もあり、質問させていただきます。
本事業において、複合的な課題を抱え、生活困窮等の状況にある子どもや家庭に寄り添い、生活環境の改善を直接働きかけ、各関係機関と連携して適切な支援制度に繋げるとのことですが、
①貧困の陰で声が出せず苦しんでいる支援すべき子どもを見つける方法として、どのような方法を検討しているのか。お示しください。以後自席にて質問を行います。
(こども未来局こども未来部こども家庭支援課)
(こども未来局長答弁)
学校の教員やスクールソーシャルワーカー、保育士、幼稚園教諭及び地域団体など、子どもたちに関わる方々の「子どもの貧困」問題に対する意識を高め、そこから得られる支援が必要だと思われる子どもの情報をもとに、子どもナビゲーターに 的確につないでもらえるよう、学校や保育所などの関係機関との連携体制の構築を図って参ります。
すでに、そのあたりの連携は取れていると認識していたのですが、これからこの「子どもナビゲーター」に情報が集まることで、さらに横連携や有効な支援が進むものと認識しました。
②さらに、すべての子どもにつながる場として、就学前の健診がありますが、保健福祉局との連携についてどのような検討がなされていますか?また、それ以外にも検討している手段などがあればお示しください。
(こども未来局こども未来部こども家庭支援課)
(こども未来局長答弁)
庁内の連携会議である「子どもの貧困対策推進協議会」や同協議会の担当者会議を通じ、健診の場を含めて、支援を必要とする子どもの把握に関し、必要な連携を図っております。
また、今後は、実際に健診業務を行う保健師等に対しても、「子どもの貧困」に対する意識を高めるための情報共有を図って参ります。
今回は国の地域子供の未来応援交付金を活用して行う事業と伺っておりますが、これは地域ネットワークの形成を支援することを目的としている交付金です。従来からの関係機関のみならず地域の子ども支援を行うNPOや任意団体、主任児童委員、自治会などを「つなぐ」ための具体的手法についても、モデル事業を行っていく中で検討してほしいと思います。
次に、
子どもナビゲーターが行う支援内容ですが一つに家庭訪問や相談による、家庭環境や生活習慣改善の働きかけ、二つに個々の状況を踏まえた支援計画の策定・支援先のコーディネートがあるとのことですが、全国的にはこういった業務はスクールソーシャルワーカーが担っているケースが多いと認識しております。
③今回設置する子どもナビゲーターとスクールソーシャルワーカーとの違いはなんですか?今一度お示しください。
(こども未来局こども未来部こども家庭支援課)
(こども未来局長答弁)
子どもナビゲーターは、子どもの生活習慣や生活環境の改善、学習や進学相談等の支援、あるいは、関係機関との連携など、包括的な支援を行うことを想定しており、対応する年齢等も就学前を含め幅広く、また、学校での支援に限らないことなどが、異なる点ですが、支援にあたっては、スクールソーシャルワーカーと連携を図りつつ、子どもに寄り添う、身近な存在として配置することを考えております。
対象とする子どもの年齢が就学前も含まれることは大きな役割期待であると理解しました。
ただ、学齢期においてはやはり、関係機関との連携など包括的な支援という点は、スクールソーシャルワーカーの業務内容とかぶるのではないかとやはり思ってしまいます。現状、千葉市ではスクールソーシャルワーカーの業務は、学校を中心とした支援となっており、子どもへの直接的な支援や家庭支援まで踏み込めていないことから今回の子どもナビゲーターの設置意義があるものと理解いたしました。
続きまして、
(2)債務負担行為補正について(子どもルーム運営)について 伺います。
千葉市社会福祉協議会に委託している子どもルームの運営業務について、施設数及び利用児童数の増加に伴う指導員不足に対応するため、一部の子どもルームについて、他の民間事業者による運営へ変更するものです。また、変更にあたり、運営委託事業者を年度内に募集し、複数年契約を締結することから、補正予算により3年間の債務負担行為を設定する議案です。
まず、はじめに、
① 4つのルームを一括して民間事業者へ委託するとのことですが、その選定理由についてお示しください。
(こども未来局こども未来部健全育成課)
(こども未来局長答弁)
子どもルーム事業において、千葉市社会福祉協議会以外の 事業者への初めての委託となることから、運営がしやすいよう配慮し、また、千葉市社会福祉協議会からも意見を聴取したうえで選定しております。
具体的には、学校と連携がしやすいよう、学校敷地内にルームがあることをはじめ、運営が複雑な高学年ルームが設置されていないこと、さらには東京方面からの雇用を考慮して 花見川区と美浜区のルームとするなどの条件を設定しており、また、急な欠員等が発生した場合でも対応しやすい、比較的 距離が近い4か所のルームをまとめて同一の民間事業者に委託するものであります。
選定理由については理解いたしました。
②今回の移行はH30年4月1日をもって民間事業者へ委託されるとのことで引き継ぎのための移行期間が設定されておりません。今後選定されたルームにおいては移行に関して保護者への説明等がなされていくと思いますが、子どもルームを利用させてきた保護者の一人として、私自身、大変懸念するのは、指導員が総入れ替えとなる環境変化が子どもたちへ与える影響についてです。例えば補助指導員を一人残すなど、対応策についてお考えをお聞かせください。
(こども未来局こども未来部健全育成課)
(こども未来局長答弁)
複数の民間事業者から聴取したところによれば、数日間をかけ、施設や備品の調査のほか、日々の流れやイベントの開催状況など、それまでの運営方法を詳しく調べ、遺漏なく引き継ぎを行うとのことであります。
また、引き継ぎにあたっては、障害やアレルギーをはじめとする個々の児童の状況を確実に把握するとともに、全ての利用児童が混乱・困惑することのないよう十分に留意し、準備して参ります。
とても十分とは思えず、例えば障害やアレルギー等の状況を把握したとしても、指導員との信頼関係など、対策しなければ引き継ぎできないものがあると考えます。移行方法の再検討が必要ではないでしょうか。
次に、
③指導員不足に対応するために行う民間への事業委託ですが、民間事業者の採用条件、職場環境など処遇がよい場合には、現在社会福祉協議会で雇用されている指導員が民間事業者に採用されることも懸念されます。この点についてどのように考えていますか?
(こども未来局こども未来部健全育成課)
(こども未来局長答弁)
千葉市社会福祉協議会の指導員と民間事業者の指導員とでは、勤務時間や業務内容などが異なり、給与等の処遇に相違が生じることから、指導員本人が希望するのであれば、民間事業者が運営するルームに転職することも止むを得ないものと考えております。
しかしながら、民間事業者への委託の効果をできるだけ維持できるよう、現在勤務している指導員には、今回の委託の趣旨を説明し、なるべく本人の希望に沿う形で、近隣の子どもルームに勤務していただきたいと考えております。
④社会福祉協議会においては、今年度、経験給の導入や、一時金の支給をベース給与に含めることによる年収アップなど、指導員の処遇改善に尽力していると伺っておりますが、それでもなお、社会福祉協議会では指導員の確保が難しい状況が想像できます。以後も、民間事業者を募集することが増え続けるのではないかという点で、今回を含め、民間委託を行う際のメリット及び管理に対して留意すべき点についてはどのように考えているか。見解を伺います。
(こども未来局こども未来部健全育成課)
(こども未来局長答弁)
まず、委託のメリットですが、責任者としての正規雇用の職員を配置したうえで、様々な勤務形態の職員の雇用ができるため、指導員不足にも柔軟に対応できることのほか、民間事業者の特色あるルーム運営の工夫をはじめ、これまで培ったノウハウを活かし、現代の子どもたちの生活ニーズに合った事業を展開することなどが挙げられます。
次に、留意点ですが、障害やアレルギーなど特別な配慮が必要な児童の対応には、学校との連携が不可欠であるため、日頃から学校との連絡調整を密にする必要があるものと考えております。
また、今までの運営手法からの急激な変化は児童に及ぼす 影響が大きいため、当面の間は社会福祉協議会の運営手法を基本とし、保護者の方に信頼され、子どもたちが安心して楽しく過ごせる環境を整えられるよう留意して参ります。
民間事業者が参入することへの期待と不安がある指導員・保護者が多くいると思います。指導員や保護者への丁寧な説明を通して、現在の社会福祉協議会での委託運営も含めて、より良い環境で子どもたちが放課後を過ごす居場所となるようなルーム運営を期待します。
次に、
2 同じく議案第98号のうち、稲毛海浜公園施設リニューアル建設負担金について伺います。
これは民間活力による公園施設リニューアルに伴う施設整備改修費用のうち、市に帰属するインフラ及びその関連整備費用を事業者への市負担分として、債務負担行為の補正を行うものです。
① 市が整備する事業のなかで、砂浜改修とありますが、その内容はどのようなものでしょうか?
(都市局公園緑地部公園管理課)
(都市局長答弁)
今回の砂浜の改修は、約4万2,000立方メートルの砂を補充するものであります。
施工内容は、既存の砂浜の整地及び新たに搬入する砂の敷き均しであり、これらに要する費用を本市の負担とするものであります。
② 平成10年、11年にかけて行われた砂の補充については、2億4500万円でおこなわれたと伺っておりますが、今回は3倍近くの経費が見積もられています。この背景についてご説明ください。
(都市局公園緑地部公園管理課)
(都市局長答弁)
平成10年から11年にかけて実施した砂の補充の際は、住宅・都市整備公団による「ちはら台団地」の造成に伴う発生土を流用したことにより、約10万立方メートルの砂の 購入費用が不要であったこと、また、砂の運搬費用の一部を同公団が負担したことにより、全体費用が大幅に縮減された ものであります。
今回の改修費用には、砂の購入費用や運搬に係る経費をすべて含めていることから、前回を上回る見積額となっております。
経緯について理解いたしました。
③ 砂の補充は今後も定期的に行うのでしょうか? また、同じ種類の砂をそのたびに入れることになるのでしょうか?お示しください。
(都市局公園緑地部公園管理課)
(都市局長答弁)
今回の砂浜の改修にあたりましては、流出抑制対策についても併せて検討した上で実施することとしておりますが、流出を完全に抑えることは困難であることから、状況に応じて砂の補充を行う必要があると考えております。
また、将来補充する砂の種類につきましては、基本的に同様のものを使用することを考えておりますが、その時点で 調達可能な砂の中から費用面や景観面などを再度検討の上、決定して参ります。
今回は事業者より白い砂浜が提案されていると伺っておりますが、市が維持管理する以上、今回入れる砂の種類についても費用対効果の視点で十分検討する必要があると考えます。
そもそもですが、
④ 人工海浜造成した際に、砂浜の維持についてどのような計画がされていたのか?そして、現状についてどのように認識しているか?お答えください。
(都市局公園緑地部公園管理課)
(都市局長答弁)
当初、人工海浜の造成にあたりましては、砂浜の両端に導流堤を設置するとともに、砂の表面に砂利の層を設けることなどにより、砂の流出抑制対策を実施しました。
しかし、日本初の人工海浜の整備であり、十分な知見がなかったことから、砂浜が維持できるのかについては未知の要素も多く残されていたため、状況に応じて砂を補充することにより維持して参りました。
これまで、2回にわたり砂の補充を行いましたが、前回の砂の補充から期間が経過したことにより砂の流出が進み、大幅に砂浜が縮小していることから、早期の対応が必要であると認識しております。
現時点で砂の補充が必要な状況については理解いたしました。
次に、
⑤ ウッドデッキ整備について伺います。設置費用については約5億円ですが、その後のメンテナンス費用などはどうなるか?ご見解を伺います。
(都市局公園緑地部公園管理課)
(都市局長答弁)
ウッドデッキにつきましては、市の施設として維持管理を 行っていくこととなります。
このため、今回の整備にあたりましては、維持管理のしやすさや耐久性などを検討の上、メンテナンス費用が過大とならないように事業者と十分協議して参ります。
ここが海へ向かって伸びるウッドデッキである必要性についても、今後市財産として維持管理をすることを踏まえ、ボードウォークなどへの変更なども含め、形状、材質等十分検討が必要と考えます。
つぎに
3 同じく議案第98号のうちグリーンツーリズム推進事業費について、また
議案第102号千葉市国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業に関する条例の制定について
は同一の事業に係る議案であるため、合わせて伺います。
本事業費は内陸部の緑豊かな自然や里山など地域資源を有効に活用した「滞在型余暇活動」の提供の促進を図るため、いわゆる特区民泊を行う事業者の支援、また「特区民泊」の開始に合わせ、内陸部の観光プロモーション及び、今後のプロモーションを図るためのマーケティング調査を行うものです。また、いわゆる特区民泊を新たに導入するにあたり、適正に実施されるよう、必要な事項を規定する条例を制定するものです。
① 特区民泊について、すでに取り組んでいる自治体はどこか? それぞれの最低泊数や実施地域の特徴はどうか?お示しください。
(総合政策局総合政策部国家戦略特区推進課)
(総合政策局長答弁)
現在、国家戦略特別区域法に基づく民泊は、大田区、大阪府のうち34市町村と大阪市、北九州市、新潟市で実施しており、最低宿泊日数は、大田区のみが6泊7日、その他は全て本市と同様に2泊3日となっております。
各自治体の実施地域は、大田区、大阪府・市では、建築基準法の規定による「ホテル・旅館の建築が可能な地域内」又は「それ以外の地域を含む」の違いはありますが、市街化区域内の地域となっており、一方で、北九州市、新潟市では、「自然体験」や「グリーンツーリズム」などを目的に、市街化調整区域のみ又は本市と同様に市街化調整区域を含む地域となっております。
現在、国家戦略特別区域法に基づく民泊は、大田区、大阪府のうち34市町村の大阪市、北九州市、新潟市で実施しており、最低宿泊日数は、大田区のみが6泊7日、その他はすべて本市と同様に2泊3日となっております。各自治体の実施地域は、大田区、大阪府・市では、建築基準法の規定による「ホテル・旅館の建築が可能な地域内」または「それ以外の地域を含む」の違いはありますが、市街化区域内の地域となっており、一方で北九州市、新潟市では「自然体験」や「グリーンツーリズム」などを目的に、市街化調整区域のみ又は本市と同様に市街化調整区域を含む地域となっております。
② 千葉市は実施地域を若葉区・緑区の一部とし、緑豊かな里山を観光の拠点として民泊を活用しようとしていますが、今伺った中で、同様の趣旨でおこなわれている北九州市、新潟市について、現状はどのようになっていますか?
(総合政策局総合政策部国家戦略特区推進課)
(総合政策局長答弁)
8月に両市に確認したところ、昨年12月に条例を制定した北九州市は、現在、1事業者が認定を受けており、本年の7月に条例を制定した新潟市は、現時点では、事業者の認定はないとのことでした。
まだ、条例制定からそれほど経っていない状況ではありますが、まだ少ない印象です。
③ 2市の現状から想定できる特区民泊の課題は何だと考えますか?
(経済農政局経済部観光プロモーション課)
(経済農政局長答弁)
各都市が持つ観光資源や、立地条件など背景が異なり、他市の状況から一概に課題を導き出すことはできませんが、本市としては、グリーンツーリズムの推進にあたって特区民泊を活用したいと考えていることから、まずは本市の新たな観光メニューとしてのグリーンツーリズムを積極的にプロモーションし、定着させていくことが重要であると認識しております。
実際に事業を始めるにあたり、
④ 実施事業者の目途はあるのでしょうか?
(経済農政局経済部観光プロモーション課)
(経済農政局長答弁)
複数の特区民泊開設希望者があり、現在、関係部署の職員がチームを組んで、現場を訪れ、条例上問題がないか、集客上の課題は何かなどの個別の案件に対応しております。
今回の条例制定にあたっておこなったパブリックコメントでは市民より交通手段に対する懸念の声も上がっておりました。今後、事業者を増やすためには移動手段について考慮することも必要かと思います。
次に、
⑤ 特区民泊の認定に際して必要な消防設備、衛生設備等の整備に対する経費の2分の1を助成するとのことですが、具体的に何をさしているか?お示しください。
(経済農政局経済部観光プロモーション課)
(経済農政局長答弁)
消防設備については、自動火災報知設備、誘導灯など、衛生設備としては、飲用水のための塩素滅菌機、その他の設備としては、合併処理浄化槽やエアコンなどの空調設備、居室内のWi-Fi整備、このほか施設の案内表示、室内設備の利用案内、パンフレット、ホームページ等の広告物の多言語対応、自転車の設置経費等を補助対象として考えております。
つぎに、
⑥ 特区民泊の開始にあわせたプロモーションとして、「千葉あそび」で新たな体験プランをつくるとのことですが、その内容をどのように充実させて、民泊につなげるのか?伺います。
(経済農政局経済部観光プロモーション課)
(経済農政局長答弁)
若葉区及び緑区における体験型観光プランの主催者に働きかけ、新たなプランを創り出すことで、これまでの「千葉あそび」の掲載プランの充実を図り、エリア内で2泊3日の滞在中に多彩な体験を連続して楽しめるようにしたいと考えております。加えて、夕方から夜にかけて、もしくは早朝にのみ体験できる観光の魅力も積極的に発掘し、「泊まるからこそ体験できる」プランを造成することで民泊につなげ、「泊まって楽しめる」グリーンツーリズムを推進して参ります。
プロモーションの手法については理解いたしました。ではプロモーションにつなげるための、
⑦観光マーケティング調査について、どのような手法で進めるのでしょうか?また2分の1が国費ですが、本事業は国の基準に沿って実施するのでしょうか?
(経済農政局経済部観光プロモーション課)
(経済農政局長答弁)
マーケティング調査については、特に国の基準などはありませんが、平成25年度に実施した「観光意識調査」や、他市の事例などを参考に本市独自の仕様に基づき、「観光資源」等を洗い出したのち、インターネットアンケートにより、グリーンツーリズムに関する観光資源の認知、訪問経験、再訪の意向などを伺う調査を行って参ります。さらにグループインタビューを実施することでグリーンツーリズムに適するターゲット層をより明確化して参ります。
グリーンツーリズムの推進については理解いたしました。
⑧最後に、本事業を進めるに当たり、民泊に対しては、社会的に騒音やごみの問題など、近隣とのトラブルが問題となる例がありますが、これらを避けるために、どのような対策をしていくのか?お示しください。
(保健福祉局健康部生活衛生課)
(保健福祉局長答弁)
近隣とのトラブルを防止するため、例えば、滞在者が夜間に騒がないよう、滞在中のマナーを解説したパンフレット等により、わかりやすく説明することを事業者の責務とします。
ごみについては、滞在者が地域のごみステーションにごみを出さないように説明すること、事業所ごみとして適正に処理することを事業者に指導して参ります。
また、事業者に対しては、周辺地域の住民からの苦情や問合せに迅速に対応できるよう、苦情対応窓口を設置し、連絡先の責任者の氏名、電話番号等を外から見やすい場所に掲示するよう義務付けます。
ありがとうございました。今回の条例では立ち入り調査などについても条例で市の責務として記載もあり、適切な運営での魅力ある民泊推進となるようしっかりと市の体制が整うことを期待しております。
つぎに
4 おなじく議案第98号のうち、公民館施設管理運営の債務負担行為について また、
議案第112号 指定管理者の指定(千葉市花園公民館ほか46施設)については
公民館事業に係ることから合わせて質問を行います。
本議案は千葉市にある47の公民館を非公募により平成30年度より一括して公益財団法人千葉市教育振興財団が指定管理予定候補者とされたもので、指定期間が平成30年度から5年間の複数年度にわたることから、委託料の支払いが確実に見込まれることから、債務負担行為を設定するものです。
本年第2回定例会において、現在市直営で行っている公民館運営を指定管理者制度導入することに対して設置管理条例改正議案に反対いたしましたが、今回は、指定管理者として千葉市教育振興財団が提案した内容やそれに対する教育委員会の考えをしっかり伺った上で、審議したいと考えております。
公民館においては、施設運営を適切に行うことのみでなく、社会教育の場として重要な役割を担っていただく必要があります。「つどい・まなび・つなぐ」という公民館のスローガンを市民・指定管理者・行政が協力して実行していくためにいくつか質問をさせていただきます。
まず、はじめに<教育振興財団の管理運営に関するモニタリング>について伺います。
単に来館者の増減をみるだけでは、評価の一部でしかないと思います。その地域に根差した課題解決につながったかどうか、地域の人たちとのつながりができたかなど、単なる数字では測れない、目に見えないところで、職員が努力しているところをどのように評価するかについては、普段から、教育委員会の職員が現場に足を運び、公民館職員・市民とも話をしていかないとわからないことであり、教育委員会の力量が問われると考えます。
①千葉市教育振興財団のモニタリングの仕組みについてはどのように考えているか、また、社会教育の場としての取り組み成果をどのように評価するのかお示しください。
(教育委員会生涯学習部生涯学習振興課)
(教育次長答弁)
モニタリングについては、指定管理者からの報告書等の確認を行うほか、現地視察やヒアリングを行い、管理運営状況の継続的な点検、評価を行って参ります。
また、社会教育の場としての取り組みの成果については、地域づくりを担う人材の育成や学習成果の地域への還元等の取組みを、指定管理者選定評価委員会において評価していきたいと考えております。
今回の委託にあたり、「成果指標」として
②主催事業の300講座の増加、及び施設稼働率を52%と設定する根拠についてお示し下さい。
(教育委員会生涯学習部生涯学習振興課)
(教育次長答弁)
主催講座については、ICT、環境、防災等、現代的課題に対応する講座や、郷土、ボランティア、人材育成に係る講座等のニーズを踏まえ、300講座以上の増加として設定いたしました。
また、施設稼働率については、第5次千葉市生涯学習推進計画において、施設稼働率の平成33年度末の目標を50.0%としていることや、平成24年度から28年度までの過去5年間の施設稼働率が2.4ポイント増となっていることを踏まえ、平成28年度の施設稼働率である46.8%から毎年度約1ポイント増の、52.0%以上と設定したものであります。
これまで、教育委員会で行ってきた以上のものを教育振興財団に求めていくということで理解いたしました。事業者が質の良い事業を行ったかをどのような指標でみるのか今後さらに研究を進めていただきたいと思います。
つぎに「社会教育主事」の配置についてです。
③社会教育の場として公民館を運営するにあたり、社会教育主事の配置は重要な課題であると考えます。教育振興財団より提出されました、『千葉市公民館指定管理者提案書』を拝見しましたが、社会教育主事を配置していく方向性は示されておりますが、どのように配置していくか、人件費・委託費・管理費等、どのような経費負担に表れているのかわかりにくいため、お示しください。また、研修への助成金等についての教育振興財団の考え方は教育委員会として把握していますか?
(教育委員会生涯学習部生涯学習振興課)
(教育次長答弁)
社会教育主事の配置に向けて、今後も国立教育政策研究所が実施する社会教育主事講習を活用するとともに、大学等の通信教育の受講により有資格者の育成を図り、公民館に段階的に配置できるよう、努めて参りたいと考えております。
なお、社会教育主事資格の取得については、現在でも千葉市教育振興財団の助成制度が運用されておりますが、今回の提案において、資格取得にかかる通信教育費用の助成が人件費として計上されており、資格取得に積極的に取り組むこととしております。
研修費用についても、委託費の中で予定されていること理解いたしました。実際に職場環境として研修に行ける体制づくりができるのかが気になるところです。
公民館の円滑な運営のためには、
④職員間の情報共有や研修のための体制づくりが重要です。たとえば、休館日をつくるなど職場環境について検討していることはありますか?
(教育委員会生涯学習部生涯学習振興課)
(教育次長答弁)
風通しの良い職場環境づくりには、職員間の情報共有が必要と考えており、今後も、館長会議、主事部会等の場や、千葉市教育振興財団が構築するネットワークシステムを活用して参りたいと考えております。
また、現在、公民館は市民の学ぶ場や学習機会の充実を図ることを目的として、通年開館を実施しておりますが、人材育成の観点から職員の研修の機会を確保すること等も重要であると認識していることから、今後、休館日の設定について、利用者の意見なども踏まえ、研究して参ります。
公民館にとっては、「つどい・まなび・つなぐ」を実行する力のある人材が鍵です。しっかりとした研修体制の充実に向けて、力を合わせてほしいと思います。
次に、「人事配置」について伺います。
⑤教育振興財団では公民館管理室を設置し、契約社員が室長となり、市職員、その他財団正規職員、嘱託職員が技師として配置されておりますが、この組織の役割期待はどのようなものですか?また、教育委員会での公民館管理の体制についても併せてお示しください。
(教育委員会生涯学習部生涯学習振興課)
(教育次長答弁)
公民館管理室については、各区の中核公民館と連携し、一体的かつ効率的な事務処理と適正な労務管理を行うとともに、市の施策を適切に反映するため、市との連絡、調整の役割を担うこととされております。
また、教育委員会における公民館管理の体制については、生涯学習振興課において、モニタリング等に的確に対応するため、必要な職員を配置して参りたいと考えております。
⑥説明資料によりますと、人件費が1年あたり約1億円の削減がされることになっております。これは市の正規職員を全員引きあげ、その分教育振興財団が採用する正規職員・契約職員等へ変わることにより、人材が置き換わることによって削減されており、現状の公民館職員のうち、再任用、嘱託、非常勤職員については教育振興財団に運営が変わっても処遇はほぼ変わらないと理解いたしました。
市民とともに地域課題を解決する現場である公民館の職員が市職員でなくなることは課題の一つと考えます。また、これまで、職員のローテーションの都合上、経験のない職員が配置されること、公民館で培った経験が蓄積されず異動となり、地域とのかかわりが途切れるといったような問題がありましたが、今後教育振興財団が人事配置を行うようになりどのように改善されるか?お示しください。
(教育委員会生涯学習部生涯学習振興課)
(教育次長答弁)
千葉市教育振興財団においても定期的な人事異動はありますが、公民館から公民館への異動、若しくは財団の所管する教育機関への異動となることから、職員は継続して教育分野に携わることができ、経験、ノウハウを蓄積していくことが可能となると考えております
「地域住民の運営参画」について伺います。
⑦公民館運営に関わる市民参加についての今後の姿勢について、地域主催事業の活性化についてのお考えをお示しください。
(教育委員会生涯学習部生涯学習振興課)
(教育次長答弁)
現在、地域住民が、地域の課題や現代的な課題を解決するための講座やイベントの企画立案に参画するなど、一部の公民館においては、市民参加が行われているところです。
今後、更に、千葉市教育振興財団のノウハウを活用しつつ、地域づくりを担う人材の育成や学習成果の地域への還元に努め、中長期的には、公民館の事業に地域住民が主体的に参画して頂くことへ繋げて参りたいと考えております。
最後に
「公民館図書室」について伺います。
⑧今後図書購入費が倍増する予定となっており、図書が充実することは大変期待しております。しかし、市民のリクエストのままに購入するのではなく、全体的な購入動向を確認しながら、公民館ごとの社会教育活動に合わせた選書を的確に行っていく必要があると思います。そのための公民館図書室の役割、図書館網における公民館図書室の位置づけ、また司書の資格保有者確保についてのお考えをお示しください。
(教育委員会生涯学習部生涯学習振興課)
(教育次長答弁)
公民館図書室は、社会教育法に基づき、市民の読書活動や公民館活動を支える施設であり、その役割及び図書館網における公民館図書室の位置づけについては、指定管理者制度移行後も、変更することは考えておりません。
司書資格を有する職員の確保については、千葉市教育振興財団の提案において、公民館管理室に図書館経験者の配置を検討することとされております。
なお、司書資格を有する職員の図書室への配置については、財団と協議して参ります。
最後に
議案第105号・千葉市保育所設置管理条例の一部改正についてです。
これは緑町保育所及び大森保育所について、民設民営の手法による建て替えを実施するにあたり、仮設園舎への移転に伴う位置の変更を行うとともに、その後の民間移管による保育所の廃止を行うため、条例の一部を改正するほか、所要の規定の整備を行うものです。
本議案については「公立保育所の施設改善に関する基本方針」にそって、進められている木造30年超の公立保育所の建て替え実施に伴う条例改正ですが、この基本方針によると、30年を超えた鉄筋コンクリート造の公立保育所が34か所あり、これらは大規模改造・改修の対象と位置付けられております。40年を超える公立保育所も多くある中、現状ではこれらの改造・改修に対する具体的な計画は記載されていません。
①今後、公立保育所の役割、位置づけを明確にした「千葉市の保育所・保育園の運営方針」の策定が必要と考えますが、見解について伺います。
(こども未来局こども未来部幼保支援課)
(こども未来局長答弁)
本市としては、当面、「公立保育所の施設改善に関する基本方針」に基づいて施設改善を行うこととしており、老朽化により建替え対象とされている小倉台、千城台西及び小深の3か所の木造保育所の建替えを、着実に進めて参ります。
また、その他の公立保育所については、引き続き、経過年数や施設・設備の状況を適切に把握し、計画的な修繕による維持保全を行うとともに、劣化が著しい保育所については、必要に応じて大規模改造・改修を行い、施設の長寿命化と良好な保育環境の確保に努めて参ります。
全てにわたり、丁寧なご答弁ありがとうございました。 いただいた情報やお考えをもとに、月曜日からの委員会などで精査してまいります。 以上で、市民ネットワークの議案質疑を終わります。