2018年6月19日
渡辺 忍
市民ネットワークの渡辺忍です。通告に従い、一般質問を行います。
まず、はじめに
1.「ボランティア体制の構築について」 です。
オリパラを契機に千葉市のレガシーとなるボランティア体制を構築すると掲げられておりますが、実際何をどうしたいのか、見えてきません。ボランティアしたい人材を地域づくりに活かせるボランティア体制となるのか、現状のボランティア体制の問題点など含め、質問をさせていただきます。
ボランティアを無償労働として継続的にできる人は限られています。無償のボランティア活動とは異なる、“非営利活動”を活性化させること、またその正しい概念を広め、そこに継続的に係れる人材を増やすことが、これからの地域社会づくりに欠かせないと考えています。
ボランティアとよく認識違いをされて、不利益を被っているのがNPO団体の地域活動です。スタッフへ報酬が支払われていることで、非営利団体なのに儲けている、との誤解をされ、様々な施設利用で営利だと言われたり、ボランティア募集の登録ができなかったりしています。スライドは佐野市のHPに掲載されている<ボランティアとNPO>を整理した表です。ボランティアは個人を指し、活動に参加する人であり、NPOはボランティアの参加する場、地域貢献や市民活動の場をつくる団体、と言えます。
更に、ボランティアする人についても、無償が前提となっていますが、社会貢献をしたい人材を活かすための仕組みを無償のボランティアだけに頼るのは無理があります。今後は、支えあい・助け合いといった共助を進めるため、また地域課題の解決や、活性化の担い手を増やすために、NPOや市民活動団体、自治会などで、どのように活躍してもらうのか、生きがいとして継続的にかかわってもらうために、市がどこまでサポートできるのかでまちづくりがおおきく変わってくると考えます。
そこでまず、はじめに、
1)現在のボランティア体制 について伺います。
現状でもボランティアしたい市民はたくさんいます。しかし、その市民が自分を活かした活動に繋がっていない、残念な話を聞きます。例えば、活動したい分野のボランティアが見つからない、登録までの手続きが面倒、登録した後に紹介が来ない、どこへ行けばよいかわからない、行くことが大変というような話です。更に、ボランティア活動をしたが、安い労働として扱われている感じに違和感を覚える方もいます。
市として、
①ボランティアしたい人が適切なボランティア活動に繋がらないことについての認識はありますか?
(市民局市民自治推進部市民自治推進課)
(市民局長答弁)
ボランティア体制の構築についてのうち、所管についてお答えします。
ボランティアしたい人が適切なボランティア活動に繋がらないことについての認識についてですが、
千葉市民活動支援センターでは、分野を限定せず、ボランティアに関する相談や問合せに対応しております。
なお、より専門的な要望があった場合には、国際交流協会、生涯学習センターや社会福祉協議会が運営するボランティアセンターを紹介しており、ボランティアに対する第一次的な ご相談は、千葉市民活動支援センターに行っていただくよう、市民の皆様に十分に周知することが必要であると考えております。
本センターについては、ホームページやパンフレットの作成のほか、施設の管理運営を担う指定管理者において、区民まつりなどでブースを出展することにより、周知を行っているところです。
今後は、公民館と連携して、本センターの講座を公民館で 開催するなど、活動場所を本センター以外へも広げ、指定管理者と連携して、更なる周知に努めて参ります。
次に
2)これから目指すボランティアティア体制が構築 について伺います。
「チーム千葉ボランティアネットワーク」は、オリパラの都市ボランティアを集めるために構築されたサイトだと市民は感じています。広く市民に、多様なボランティア情報を提供したり、ボランティアと市民活動をマッチングする体制にするには、現在の仕組みでは難しいのではないでしょうか。登録された個人情報とボランティア団体や市民活動を繋げていくためには、更なる改善が必要と考えます。そこで伺います。
②オリパラを契機にボランティア体制を構築すると説明していますが、どのようなボランティア体制をつくろうとしているのですか?
次に、
(総合政策局オリンピック・パラリンピック推進部オリンピック・パラリンピック振興課)
(総合政策局長答弁)
ボランティア体制の構築についてのうち、所管について お答えします。
オリンピック・パラリンピックを契機に構築されるボランティア体制についてですが、
2020年に活躍する都市ボランティアの皆様には可能な 限りチーム千葉ボランティアネットワークのメンバー登録をしていただき、既存のメンバーを含め大会終了後も継続的にボランティア活動していただくことを目指しています。
また、現在分野毎に存在するボランティア情報を総合的に提供する役割や、ボランティアの担い手の登録先としての機能を果たせるよう、当該ネットワークの仕組みの改善に取り組み、本市ボランティアの活性化や裾野拡大に寄与する体制を構築して参ります。
2.「不登校児童生徒への支援について」 伺います。
全国の小中高校生で18万人以上居るといわれる不登校児童生徒ですが、<スライド>の通り、千葉市においても年々増加傾向であり、早急な支援が求められています。平成28年第3回定例会の一般質問でも取りあげましたが、その後、平成28年12月に「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」いわゆる教育機会確保法が施行しましたので、教育現場での不登校支援がどのように変化したのか、質問させていただきます。
まず、はじめに【教育機会確保法の理解について】です。
教育機会確保法が施行され、約1年半が経ちましたが、実際に先生方に尋ねても、教育機会確保法を知っていると言う人はなかなかいません。校長先生など管理職が知っていても、子どもを受け持つ現場の先生方にはまだまだ浸透してないのが現状のようです。
今回の法律で示された一部をスライドにしました。
例えば、基本指針では、
「不登校というだけで問題行動であると受け取られないよう配慮する」
「登校という結果のみを目標にするのではない」
「当該児童生徒や保護者を追い詰めることのないよう配慮」など示されております。
①このような学校現場で必要な、基本指針を含め教育機会確保法の内容を具体的に浸透させるために、どのような取り組みをおこなっているか?お示しください。
(教育委員会学校教育部教育支援課)
(教育次長答弁)
不登校児童生徒への支援についてお答えします。
教育機会確保法について、学校現場にその内容を具体的に浸透させるために、どのような取組みを行っているかについてですが、教育機会確保法の内容については、教育機会の確保等に関する施策の理解を図るために、文部科学省が示した「義務教育段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する基本指針」を各学校へ周知しております。
また、平成29年度の本市生徒指導調査研究委員会において、同法の概要や本市における不登校の現状と支援の方策について学校現場にもわかりやすくまとめ、報告書として30年4月に各学校に配布しております。
最後に、
3.「生活困窮者支援について」 です。
平成27年に生活困窮者自立支援法が施行し、3年経過後の見直しが行われ、この6月改定されました。生活困窮者支援事業はこれからすべての人が地域で支えあう時代に入る中、地域づくりの根幹をなす大切な事業であると考えております。以下3点、質問いたします。
1つに 自立相談事業について、
千葉市においては、生活困窮者支援は平成25年よりモデル事業として開始し、今までの相談件数の推移はスライドのように新規相談はH28年に一度停滞したものの、延べ相談件数は右肩上がりです。
平成28年第一回定例会にて私より質問いたしました際に、窓口の増設について要望いたしましたが、昨年度より生活自立・仕事相談センターの窓口が中央区・稲毛区に加え、若葉区で新設され3か所となったことは大変評価しているところです。窓口増設の効果と更なる増設の必要性についてはどのように考えていますか?
(保健福祉局保護課)
(保健福祉局次長答弁)
生活困窮者支援についてお答えします。
まず、生活自立・仕事相談センターの窓口増設の効果と今後の増設の必要性についてですが、
平成29年7月に新たに若葉区に設置した同センターでは、若葉区にお住まいの方からの相談者の割合が7割を占めていることから、若葉区における窓口増設による効果があったものと考えております。
また、センターの設置によりセンターごとの相談者数に増減はあるものの、29年度の市全体の相談者数は、前年度に比べ2割増加しており、センター増設の必要性については、今後の市全体の相談者数の推移などを見ながら検討して参ります。
2つに、中間就労 について
実際に相談支援を行っている窓口では相談に乗った後の出口支援として、居場所や社会体験、準備支援も含めた中間的就労の場が足りていないとの認識があります。
千葉市において、中間的就労等なかなか進まない要因をどのように考えているか?お答えください。
(保健福祉局保護課)
(保健副局次長答弁)
次に、中間的就労がなかなか進まない要因についてですが、
中間的就労を行う事業者に対する、税制上の優遇措置の対象として、株式会社やNPO法人等が含まれておらず、本市の認定状況を見ても、社会福祉法人に比べ、株式会社やNPO法人の数は少ない状況であります。
また、国が実施した平成28年度の自立相談支援事業等実績調査では、中間的就労を利用すべき者が利用しなかった理由として「本人が通える範囲内に認定事業所がない」ことを挙げる自治体が全体の約8割となっていることからも、地域の実情に合わせた事業実施のためには、より幅広い事業者の参入を促すためのインセンティブが必要であると考えております。
3つに 学習支援について
今年度予算で新たに拡充された事業として、土曜日の学習支援がありますが、拡充した目的は何か?またその運営はどのようにおこなっているのか?お示しください。
(保健福祉局保護課)
(保健福祉局次長答弁)
最後に、今年度予算で新たに土曜日の学習支援を拡充した目的とその運営についてですが、
拡充した目的については、家庭環境などによって学びが左右されることのないように、平日夜間に加え、土曜日の昼間に市内2か所で学習支援を実施しているものであります。
また、その運営については、受付業務等を自立相談支援事業受託者に委託するとともに、平日夜間と同様に、教員OBで構成されるNPO法人から講師の派遣を受け実施しております。
【2回目】
ご答弁ありがとうございました。引き続き、まずは
1.「ボランティア体制の構築について」から質問いたします。
1)現在のボランティア体制
現状のボランティア関連施設としてまず市民がアクセスするのはボランティアセンターが多いのではないでしょうか。分野を問わず、ボランティアをしたいと思う時には、千葉市民活動支援センターに行っていただくよう、市民の方に十分に周知することが必要ということがわかりました。会派でも市民活動支援センターへ相談しやすくなるよう、各区への設置を求めてきましたが、今後は、公民館と連携しての講座開催など活動が広がるとのこと、更に市民がボランティアに繋がりやすくなることを期待いたします。
ボランティアセンターでは有償ボランティアをボランティアとして登録ができない、非営利団体がボランティア活動室を使えない、ボランティア保険が使えない場合があるそうです。
①市社会福祉協議会ボランティアセンターにおける有償ボランティアの位置づけについて、お伺いします。
(保健福祉局地域福祉課)
(保健福祉局次長答弁)
これまで、市社会福祉協議会ボランティアセンターでは、有償ボランティアの登録や施設利用をお断りすることがありましたが、本市では、ボランティア活動の裾野が広がることは望ましいと考えており、今後、有償ボランティアの登録や施設利用の拡大について市社会福祉協議会に検討を要請して参ります。
社会福祉協議会ボランティアセンターにおけるボランティアの広がりに大いに期待いたします。
現状ボランティア情報については主に、ボランティア関連4施設で連携をしていると伺っています。しかし、そこから漏れているボランティア情報もたくさんあります。
例えば、放課後子ども教室に必要な地域の協力員の募集や学校での特別支援をサポートするボランティア、イベント時の保育ボランティアなど、千葉市が募集している様々なボランティア募集情報が、現状では【ちばぼら】へ、あまり登録されていません。
②市民がボランティア情報を一括して確認するために、できる限りすべてのボランティア情報の登録が必要と考えますがご見解を伺います。
(市民局市民自治推進部市民自治推進課)
(市民局長答弁)
ちばぼらは、千葉市民活動支援センター、国際交流協会、生涯学習センター及びボランティアセンターのボランティア 募集情報を集約し、必要な情報を市民の皆様に提供できるようデータベースを構築したものであります。
運用を開始するにあたっては、庁内の各所管にボランティア募集情報の提供について、呼び掛けを行い、情報の収集及び登録をしておりましたが、すべての情報が登録されている状況にありませんので、改めて全庁的に周知に努めて参ります。
今後、ボランティア情報が充実し、マッチングが進むことを期待します。
2)これから目指すボランティアティア体制構築
③最後にチーム千葉ボランティアネットワークの機能改善について伺います。オリパラにおける都市ボランティアをしたいという、明確な目的を持ったボランティアの窓口としては有効ですが、今後もボランティアをしたいと思っている人が、自分に合ったボランティア活動に繋がるための仕組みづくりができていません。現状のボランティア募集のまとめのページは、掲載件数も20件程度と少なく、こちらのように、見にくいです。
ボランティア登録をする際に、関心のある分野にチェックをする仕組みや、ボランティア情報の案内が欲しいかということを登録できていれば、ボランティアの募集について、分野ごとに各個人へpush式で案内ができるはずです。
また、現時点でボランティア情報が集約されている【ちばぼら】でも、キーワード検索などの検索機能の充実や、動作の高速化など、システム上改善できる点があると聞きます。合わせて検討が必要ではないでしょうか。最終的には、【ちばぼら】のボランティア募集の情報がチーム千葉ボランティアネットワークに登録した個人へ届く仕組みができれば、ボランティア活動・市民活動も充実してくると考えます。
チーム千葉ボランティアネットワークの機能として、機能改善を行う予定はありますか?また、機能改善を行うに当たっては、既存のボランティア関連施設等との十分な協議が必要と思いますがご見解をお聞かせください
(総合政策局オリンピック・パラリンピック推進部オリンピック・パラリンピック振興課)
(総合政策局長答弁)
現在、インターネット上にあるチーム千葉ボランティアネットワークの登録サイトでは、氏名、連絡先等を入力するだけですが、今後はボランティア活動希望者が、欲しい情報の種類や活動したい分野等を選択し、それに基づいた情報を取得できる仕組み等について、機能充実を図る中で検討して 参ります。
なお、検討にあたっては、ボランティア関係団体や関係部署等と十分連携を図りながら進めて参ります。
チーム千葉ボランティアネットワークが統合窓口的な役割を担うことができればと、大変期待しています。
オリパラの年は都市ボランティアとしての成功を目指すために、力を注ぐことになります。それより前に、興味ある分野の登録と、今後の情報発信を受け取るかの確認を行い、必要とする人にボランティア募集情報が届く仕組みとするべきと考えますが、④機能改善に向けての今後の進め方はどのように考えているのか。今後の取り組み予定についてお示しください。
(総合政策局オリンピック・パラリンピック推進部オリンピック・パラリンピック振興課)
(総合政策局長答弁)
チーム千葉ボランティアネットワークにおける情報取得の 利便性向上等については、早期に実現できるよう検討を進めて参ります。
チーム千葉ボランティアネットワークが千葉市としてのボランティア情報の統合窓口となることはもちろん、【ちばぼら】とのシステム連携や、今後導入予定の地域ポイント制度とのシステム連携も視野にいれて統合的に検討し、千葉市の市民活動の活性化に寄与することを強く要望いたします。
次に
2.不登校児童生徒への支援について 伺います。
1回目では教育機会確保法を浸透させるための取り組みについて伺いました。これからは、それを踏まえて上で、現場での具体的な対応、またその周辺の支援について順に伺います。
まずは、【学校現場における対応・支援】についてです。
この法律により不登校は問題行動ではないと国は示しましたが、先生方は良かれと思って、未だ登校をうながすことが見られると聞きます。「当該児童生徒や保護者を追い詰めることのないよう配慮」「個々の不登校児童生徒の休養の必要性」などが示されておりますが、なかなか具体的な取り組みでの部分では、浸透していないのではないでしょうか。登校刺激が本人の心身の状態悪化につながることもあり、家庭への働きかけは大変難しいと思います。連絡を苦痛と感じる家庭もあれば、連絡がないと「見捨てられた」と感じる家庭もあります。対応には現場の先生方も大変苦慮されている部分も多いと思います。
②教育機会確保法が施行されたことを受けて、不登校の児童生徒や保護者に対しての具体的な対応方法については、どのように学校現場に周知していますか?
(教育委員会学校教育部教育支援課)
(教育次長答弁)
管理職や生徒指導担当者等の研修会において、本市生徒指導調査研究委員会の報告書の内容を周知し、各学校での活用を依頼してきました。
今後はさらに、教育相談推進研究協議会や教育センターの休日講座、スクールカウンセラー連絡協議会において、報告書の内容について説明し理解を深めることで、不登校児童生徒の支援を一層推進して参ります。
こちらが、研究委員会でつくられた報告書「児童生徒の「成長」を目指した不登校支援の在り方について」ですが、研修等で周知するのはもちろんのこと、不登校の児童生徒を抱えている担任の先生方が一番必要としているのではないでしょうか。各校での活用について力を入れていただくことを要望いたします。
③継続して支援にあたるための、情報連携について伺います。児童生徒それぞれの状態に合わせて支援していくのが重要です。個別に対応している経過をきちんとフォローして行くためには、個別の支援計画を担任、教頭ほか、支援にあたる関係者などでチームとして共有し取り組む必要があります。
また、子供の育ちはその一時だけを見ていてわかるものではなく、支援の見通しと、中学、高校への移行の段階では特に支援内容など情報の継続が必要です。継続して不登校児童生徒への支援をしていくために、小学校から中学校へ、中学校から高校への移行時に具体的に誰が何をしているか、お示しください。
(教育委員会学校教育部教育支援課)
(教育次長答弁)
進学時には、本人の状況や願い、保護者の要望、これまでの支援や配慮事項等について、保護者の同意を得た上で、管理職や担任等を通じて進学先に伝え、必要な情報を共有し、切れ目のない支援に努めております。
先生方は人事により配置が換わるため、比較的同じ学校に長くいる、継続した支援をサポートする大事な役割を担うスクールカウンセラーが大事だと感じている保護者は多いです。不登校児童が急激に増えている小学校における配置がさらに進むよう要望いたします。また、現在不登校児童生徒についての支援計画はすべての児童生徒にされていない状況であることを伺っております。今年5月の文部科学省通知にあるように、不登校児童生徒への支援,
障害のある児童生徒への支援及び日本語指導が必要な外国人児童生徒等については、効果的な指導につなげる観点から、提示された様式を活用しつつ, 統合した支援計画の作成に取り組むよう、現場への指導を要望します。
④それぞれの子どもに合った支援が必要とされているが、現場では学校長の考え方で動いている印象があります。例えば、名簿・座席を残すことを望まない児童生徒がいた場合にも強制的にそのまま残すといわれているケースがあると聞きました。不登校児童の座席、名簿についてはどのように認識していますか?
(教育委員会学校教育部教育支援課)
(教育次長答弁)
座席や名簿の扱いについては、一人一人の児童生徒及び保護者に寄り添った配慮が必要であると考えております。
各学校で適切に対応していると認識しておりますが、配慮事項として、学校に周知して参ります。
今後も当事者である子どもたちへの支援として最善の選択をしていくために、学校での管理を優先するのではなく、子どもに寄り添った支援体制の構築を目指すよう求めます。
⑤次に、不登校で内申がゼロになり、高校受験が不利になる、という、以前の情報かもしれないですが、不安を抱えている保護者らの声を聞きます。不登校は誰にでも起こることであり、どんなに先のことであっても、高校受験に向けて希望を持ち生活するためには、正しい情報が必要です。現時点の不登校生徒への内申はどのように対応されていますか?
(教育委員会学校教育部教育指導課)
(教育次長答弁)
学校での学習状況による評価が難しい場合には、家庭での 課題レポートや作品などの提出を考慮し、生徒一人一人に 応じた評価を行い、入試に関わる調査書に反映させております。
今後も、それぞれの生徒に見合った積極的な評価をお願いするとともに、今は内申についても高校受験になるべく不利にならないような対応をしていることが、不登校児童生徒を抱える保護者に伝わるような情報提供のあり方を検討していただくよう要望します。学校の説明会などでも、全日制高校だけでなく、サポート校や夜間高校なども同じように情報を公開、提示してほしいとの要望もあります。本当に様々な情報が届いていないことを痛感します。
次に【学校外での活動支援の充実と連携について】伺います。
⑥学校現場において、教育センター・ライトポートなどとの情報連携はかなり進んできていると認識しておりますが、フリースクール等民間団体と学校の連携はどのように行われていますか?
(教育委員会学校教育部学事課)
(教育次長答弁)
フリースクール等を利用している児童生徒が在籍する学校では、児童生徒の生活や学習の様子、出席状況等について、フリースクール等と連絡を取り合い確認するとともに、保護者や児童生徒との面談等を通し、状況を把握するよう努めています。
⑦2年前の私の一般質問に対して、支援を受けている児童生徒の実態や課題などの把握に努めるとのご答弁がありましたが、市立学校の小中学生が通所しているフリースクール等の現状はどうか?お示しください。
(教育委員会学校教育部学事課)
(教育次長答弁)
本市の児童生徒が通所するフリースクール等のうち、平成28年度に、市立学校において出席扱いとした施設数は8施設であり、児童生徒数は17人と確認しています。
また、フリースクール等の状況を調べたところ、それぞれの施設で行っている主な活動は、学習や自然体験、ゲームなど、大きく異なっており、活動時間帯や保護者の経済的な負担にも違いが見られることが把握できております。
⑧現状では、学校以外の場において行う多様で適切な学習活動の重要性を学校や教育センターとして認識しているとは思えません。学校・教育センターで支援につなげるための様々な努力をされていること、相談支援やライトポート増設などの事業拡充は評価するところではありますが、そのような支援につながらない場合には、フリースクールや、ホームエデュケーションなどで学習できるケースがあることを不登校家庭へ情報を伝えられていますでしょうか?国からも一覧が配布されており、市内小中学生が通所しているフリースクール等のリストと合わせ、情報提供が必要と考えますがご見解をお聞かせください。
(教育委員会学校教育部学事課)
(教育委員会学校教育部教育支援課)
(教育委員会学校教育部教育センター)
(教育次長答弁)
保護者から相談があった際は、学校外での多様な学びの場があることや、IT学習、家庭訪問相談員の制度等について、教員や相談員から適切に助言を行っております。
また、平成27年4月6日付けで、文部科学省から送付された「義務教育段階の子供が通う民間の団体・施設」のリストについては、調査時点が古いことから、本市の児童生徒が通所した実績のある施設について改めて調査を行っており、当該 施設への確認等を踏まえた上で、情報提供できるよう進めて参ります。
実際に教育相談やライトポートなどの支援につながらない児童生徒が全体の4分の1程度いる以上、民間との支援連携を進める必要があることは明確です。
現在調査をされているとのことですので、その情報を教育センター他、相談機関と共有し、支援の担い手として民間支援団体を含めた選択肢を提示できるよう要望します。
⑨フリースクール等に通う児童・生徒を「出席扱い」とできる条件は、スライドの通り、です。通学するフリースクールが①原籍校に戻ることを目的としていること、②教育課程がある程度しっかりしていること、③定期的に出席や活動状況を原籍校に伝えてくれることを条件としており、当該児童生徒の在籍する学校の校長が、フリースクール等への通所または入所が不登校児童生徒の自立を助けるうえで有効、適切であると判断した場合には、教育委員会と相談した上で出席と認めていると伺っています。
教育機会確保法では「不登校生徒児童が学校以外の場において行う多様で適切な学習の重要性」が示されていることから、フリースクール等が①原籍校に戻ることを目的としていることを「出席扱い」とする条件は教育機会確保法に反しているのではないでしょうか?
(教育委員会学校教育部学事課)
(教育次長答弁)
平成28年9月14日付け文部科学省通知「不登校児童生徒への支援の在り方について」においては、出席扱いとする要件として、「当該施設への通所又は入所が学校への復帰を前提とすること」などが示されております。
本市においては、教育機会確保法の趣旨を踏まえ、弾力的な運用を行っており、同法に反してはいないと考えます。
では、⑩指導要録上「出席扱い」となった児童生徒を対象に、通学定期乗車券制度(いわゆる「学割」)の適用を受けることができることが【平成5年3月19日付け通知】で示されておりますが、千葉市における状況はいかがでしょうか?
(教育委員会学校教育部学事課)
(教育次長答弁)
本市では、当該施設を在籍学校の実習機関とみなし、「実習用通学定期乗車券」の購入手続きに必要な通学証明書を、原籍校が発行しています。
長期的に学校復帰を目指すことは理解しますが、それを出席の条件とすることには違和感を覚えます。出席扱いとなることで、交通費への学割適用がされるのであればなおさらです。教育機会確保法の施行前の通知の有効性については、今後国へ問い合わせて欲しいと思います。
⑪フリースクール等に通う子供たちには学ぶ権利があります。通所している児童生徒へ教育費の補助や子どもたちを受け入れているフリースクール等団体への支援(例えば、公的施設を無償利用することなど)、一定の条件のもとに補助等を行うことを検討すべきと考えますが、ご見解をお聞かせください。
(教育委員会学校教育部学事課)
(教育次長答弁)
フリースクール等の利用形態や料金に差があることや、運営状況等が多様であることから、現在、補助は行っておりませんが、多様化・複雑化する教育ニーズへの対応を図るため、他都市の事例を研究して参ります。
先ほど、情報提供をできるよう進めてまいりますとの前向きな答弁があり、現場の先生方の負担を減らすためにも、これからは民間団体、地域とともに支える仕組みづくりに進んでいくよう願っております。全国的にもフリースクール等との連携や支援は未だ限定的ではあり、これから研究とはなりますが、千葉県フリースクール等ネットワークや、全国初で千葉県議会フリースクール等教育機会確保議員連盟が発足していることもあり、文部科学省からも千葉スタイルを築いてくださいと注目されております。
幅広い学びのあり方を、ぜひ前向きに検討をすすめていただき、市民とともに歩んでいただくことを要望いたします。
最後に【不登校の子どもを持つ親への支援】についてです。
不登校の子どもを持つ親は、不登校になっている児童の状況しかみえないため、孤立しがちです。学校では、先生が面倒がっているような様子が見られたりするとのことで、どこまで相談してよいのか遠慮してしまうという声もあります。そんな保護者にとって、教育センターはほっとできる場所となっているとのことで、評価しているところです。しかし、担当が変わるので長期になるとほっとして話ができず苦痛、との声もあります。
⑫保護者への継続的な支援を行うために、どのように対応していますか?
(教育委員会学校教育部教育センター)
(教育次長答弁)
職員の異動等により相談の担当者が替わる際には、保護者が子どもの状況を記した「サポートシート」や、教育センターの担当者が相談状況を記録した「相談カード」により、当該児童生徒の状況やこれまでの支援等を把握し、継続的で効果的な 支援を行っております。今後も、保護者の話を傾聴し、子どもたちや保護者の気持ちに寄り添った支援に努めて参ります。
不登校となると四六時中一緒にいることで母親への負担は大きいです。母親の就労にも影響を与えることなど母親の心理的身体的不安はとても大きくなっております。また、教育センターなど、教育委員会で用意されている支援を受ける場合に、小学生には親が同伴しなくてはならない場所が多く、子どもが安全なかたちで、母子分離が物理的に可能になる時間をつくることが必要と考えます。
⑬不登校の子どもを持つ母親の母子分離を可能とする支援はどのように考えていますか?
(教育委員会学校教育部教育センター)
(教育次長答弁)
教育センターでは、年に2回、千葉市少年自然の家での2泊3日の「ジョイントキャンプ」を実施することにより、保護者が子どもと離れて過ごす時間を設けております。
また、今年度より、小学生のグループ活動やライトポートへの通級にあたっては、保護者との協議と原籍校の校長の承認のもと、安全面に配慮した上で、児童だけでも通級できるようにしており、保護者の身体的負担や心理的不安の軽減を図っております。
保護者に対する支援は拡充されてきていることは理解いたしますが、まだまだ足りておりません。不登校に対する情報不足により、不安が増大している保護者が多くいます。先の見通しや多様な学びの道があることなど、正確な情報を伝える仕組みづくりが必須です。不登校の親の会などとも積極的に連携し、安心して子どもの学習や生活の見守りを行えるよう導く仕組みづくりを要望します。
最後に
3.「生活困窮者支援について」 です。
1回目のご答弁では、2割は相談件数が増えていること伺いました。窓口増設により明らかに効果が出ています。まだまだ支援に繋がっていない困窮者が居ると思われ、各区に相談窓口設置が望ましいと考えます。厚労省の標準目標値が非常に高く、クリアしている自治体は少ないと聞いておりますが、千葉市において、
1)自立相談
①目標達成に向けての課題は何か、また新たに対策したことはあるか。お聞かせください。
(保健福祉局保護課)
(保健福祉局次長答弁)
目標達成に向けての課題は、支援を必要とする方のうち、自ら相談に行かない方や行けない方を、いかに自立相談支援機関の窓口に繋げられるかであると考えております。
このため、困りごとを抱えた方が自ら相談に訪れるのを待って支援を行う「待ちの支援」から、「支援を届ける」仕組みを構築していくことを大きな柱とした「貧困対策アクションプラン」を本年3月に策定し、包括的な支援に取り組んでいるところです。
アクションプランにおける取組みでは、貧困リスクが高い方を早期に発見し、自立相談支援機関の窓口に繋げるため、対象となる方の情報を記載した「情報共有シート」を作成し、庁内の各関係部署との情報共有・連携強化を図っていく予定であります。
生活自立・仕事相談センターのカードを渡すだけではない一歩進んだ庁内連携は私たちが要望していたことであり、情報共有シートの活用により着実に支援につながることを切に願っております。
② 自立相談は、長く個人に寄り添う支援を行う業務であり、単年度契約では支援員も安心して働くことができず、事業者としても人的配置など柔軟に対応することもできず、大変不利な状況です。仙台市や浜松市など実際に複数年契約を行っている政令市が出てきております。制度を持続可能なものとするため、また、相談員・支援員が安心して誇りをもって働き続けられるよう、相談支援事業は複数年契約にするべきではないでしょうか?ご見解を伺います。
(保健福祉局保護課)
(保健福祉局次長答弁)
相談支援事業については、毎年度相談件数等の状況を勘案して、人員等の運営体制を見直した上で契約を行っておりますが、今後、長期的に安定した事業運営が可能となる複数年にわたる契約方法について検討をして参ります。
是非、前向きな検討をお願いします。次に
2)中間的就労 についてです。
1回目のご答弁では国の調査でもあるように「本人が通える範囲内に認定事業所がない」ことから、より幅広い事業者の参入を促すためのインセンティブが必要であると考えているとのこと。
中間的就労や就労訓練事業を受け入れる企業側へ受け入れのメリットが正確に伝わることで、社会貢献や善意だけでなく、会社にとってプラスになる可能性があることを理解してもらう機会が必要です。中間的就労は業務分解によって切り出された業務を働く人の事情に合わせて形態や報酬を決定することができ、誰もが働きやすい職場環境は、受け入れ企業にとってもメリットがあります。
市内企業や事業者が中間的就労のメリットデメリットを理解し、受け入れを行うためには、他政令市では、札幌市で28人、相模原市で19人などが受け入れをしているように、まずは千葉市が率先して中間的就労を受け入れることもできるのではないでしょうか。
また、伊丹市などでは様々な発想を活かして、例えば、交通費を支給することで就労継続しやすくなると就労支援事業で新たな補助をつけたり、就労訓練事業実施事業者への優先発注制度を導入したり、対象者別に就職相談会を行うなど積極的に就労支援を行っています。これらを参考に、雇用企業に対してのインセンティブを千葉市独自でも検討したら、人材不足の事業者などで、会社にとってプラスとなる受け入れが可能となる可能性がおおいにあると考えます。
⑤千葉市においては中間的就労の場がまだまだ足りていませんが、中間的就労の促進のための具体的な政策は何か?中間的就労のメリットを社会的にひろめ、受け入れる認定事業者を増やすためにできることは何か?お答えください。
(保健福祉局保護課)
(保健福祉局次長答弁)
中間的就労には、多種多様な事業者の積極的な参入を促進する仕組みづくりが必要であると考えており、事業者へのインセンティブのため、税制上の優遇措置について社会福祉法人等だけでなく、株式会社やNPO法人等にも対象を拡大すべきという要望活動を、本市から国に対する「国の施策及び予算に対する重点要望」により行っているところです。
また、事業者に中間的就労の制度に対する理解を深めてもらうことも必要であると考えており、認定事業者などと連携した説明会の開催などによる周知・啓発に努めて参ります。
つぎに
3)学習支援 について伺います。
つい先日改正された生活困窮者支援法によると、学習支援には居場所機能・生活支援の役割があるとされましたが、現状の千葉市の学習支援事業は進学支援に特化しており、ある意味塾替わりであり、法に見合わない状況となります。
現状千葉市では学習支援の担当者は一人、各区30人が6区で約180人もの生徒の申請受付や個別対応、更には学生ボランティアの募集などやり切れるものではありません。また、勉強につまずくのは小学校中学年くらいからともいわれており、高校入学後にも中退のリスクもあります。中学2年生・3年生だけでなく、対象者の拡大や、生活支援事業としての強化を図るためにも、今後、直営で機能拡大するには無理があるのではないでしょうか。他政令市を見ても、学習支援にかけている予算は極端に低い状況で問題です。
今回の拡充予算である百万円も指導職員への報酬のみの増額で、土曜日という休日対応の窓口業務が増えた分については、委託事業者の負担に頼る形で、他の受託業務と合わせて飲み込んだ形で実現されており、大変問題であると考えます。
⑦今後、千葉市では学習支援の機能拡充をどのようにしていくのか?お答えください
(保健福祉局保護課)
(保健福祉局次長答弁)
現在行っている学習支援事業は、高校進学のための支援として、教員OBで構成されるNPO法人から講師の派遣を受けて実施しているところであり、新たに拡充となる生活習慣の改善への支援等に取り組むに当たっては、実施可能な体制について検討する必要があると考えております。
学習支援事業においては、生活支援事業としての機能強化が必須ですので、どのように行っていくのか、真剣に検討していく必要があります。伊丹市の学習支援事業では、子どもケースワーカーのような事業を教員OBが福祉的支援を熟知して行う事業が有効に機能していると聞きます。
千葉市としては、本年1月から新たに設置した子どもナビゲーターの有効活用を期待いたしますが、個人情報の壁で活動が進まない状況を聞きます。
箕面市では、支援につなげることを目指した個人情報保護条例を改正し、目的外利用及び外部提供を可能にし、生活や学力など子どもの状況をトータルに把握して最適な支援に繋げる仕組みを作っています。千葉市としても、せっかく子どもナビゲーターを設置したのですから、個人情報の壁を無くし、子どもたちの環境改善のために有効な支援を行える環境整備を強く要望し、私の一般質問を終わりにします。
ご清聴ありがとうございました。