表をご覧ください。昨年「多胎育児のサポートを考える会」によって行われた多胎育児の当事者約1600人から集めたアンケート結果です。
多胎育児中につらいと感じた場面では、外出・移動が困難である89.1%、睡眠不足・体調不良が77.3%、自分の時間が取れない77.3%、大変さが周囲に理解されない49.4%となっています。
93%の親が子どもに対してネガティブな気持ちを持ったことがあると答えており、自由記入欄には
「いつ殺してしまうか分からない」
「双子の泣きにそれぞれ対応していたら、15時間たっていました」
「気が狂うかと思った」
「目の前のことをこなすのに精一杯で、一分先のことを考えられない。余裕がない」
など、悲鳴のような声が多数寄せられ、追い詰められている様子が明らかになりました。
特に外出困難の声は多く、多胎児の場合、親一人では、まず公共交通機関に乗れません。バスも乗車拒否され、階段があるだけで動けなくなります。二人以上の子どもを抱えて、ベビーカーを折り畳んで乗ることは現実的ではありません。行政のサービスを十分に受けられないのも外出困難が影響しています。
こちらの表をご覧ください。授乳時間を単胎児と多胎児で比べたものです。
上は一人の場合、1日の授乳頻度は一般的に8回から10回程度と言われています。
下が多胎児ですが、これは授乳だけですので、おむつ替えや、泣いて抱っこして寝かせる時間はこの色付け以外の時間に行われます。
虐待死リスクは単胎児にくらべ2.5~4倍という一般社団法人日本多胎支援協会の発表もあり、実際に悲し過ぎる事件が2018年に起こりました。
不妊治療の末にようやく三つ子を授かったお母さんが、産後うつとなり、寝かしつけの際になかなか寝てくれずに泣き出した次男の声に苛立ち、次男を畳に2回たたきつけ脳損傷により死なせた、という事件です。
もちろん母親は罪を犯しましたが、この悲しい事件の責任は、本質的には社会にあるのではないでしょうか。
「考える会」によると問題点が大きく4つに整理されています。
① 多胎児に必要な情報が的確に届いていない問題
・単胎児向けの情報のみでは、産後の生活のイメージがつかないまま、
壮絶な生活に突入し、心身ともに追い詰められていきます。
② 外出困難問題
様々な支援があっても、窓口まで行けず、利用登録で断念しています。
③ 保育・一時保育が利用できない問題
④ 既存制度が単胎児向けに設計されている問題
です。
これらに対して、「考える会」は厚生労働省で昨年末に記者会見を行い、
【国・自治体に求めること】として
① 保育の必要性認定基準に「多胎児を育てている家庭」の追加
/多胎加点の全国化
② 公的な居宅訪問型の一時預かりサービスの制度拡大
/民間ベビーシッター利用への補助
③ バス乗車ルールの改善、タクシー利用の補助
④ 行政が多胎妊婦情報を把握した時点で行政側から情報と具体的支援
を届けること
を発表しました。
これを受けて、国も令和2年度で多胎児支援に関する予算を発表、国土交通省は今年3月『二人乗りベビーカーを折りたたまずに使用できるよう取り扱うことを基本とします!』と発表するなど、多胎児支援に関する施策が進み始めています。
そこで3つ伺います。
質問1-1
千葉市では多胎児の妊娠面接の際には多胎児サークルの情報、専門機関の発行した冊子などを配っているか?
また、対応を行う保健師は多胎児育児支援の研修を受けているか?答弁
(保健福祉局健康福祉部健康支援課)
各区の保健福祉センターに設置している母子健康包括支援センターにおいて、妊娠届出書提出時に全妊婦と面接を行っておりますが、多胎の妊娠である場合は、冊子「ふたごの子育て」を配布すると共に、多胎を対象とした育児サークルを紹介しております。サークルに参加することで、育児中の先輩方との交流もでき、経験談を聞くことで妊娠中から出産・育児に至るまでのイメージを持つことが出来ます。
また、毎年、母子健康包括支援センターの相談員や新規採用保健師等を対象とし、専門的な知識の習得に加え、多胎児育児支援制度も含めた母子保健事業の研修を行っております。
質問1-2
妊娠後期面接又は乳児家庭全戸訪問等において、再度産後に受けられるサービスを紹介しているか?
また、その場で申請登録できるか?
答弁
(保健福祉局健康福祉部健康支援課)
(こども未来局こども未来部幼保支援課)
妊娠後期面接や乳児家庭全戸訪問では、多胎児支援として利用可能な産後ケア事業、エンゼルヘルパー派遣事業及びファミリー・サポート・センター事業の情報を提供しております。
また、産後ケア事業、エンゼルヘルパー派遣事業については、その場で申請を受け付け、利用者の負担の軽減を図っております。
質問1-3
千葉市が行っている多胎児に関する支援策として、保育関連、移動支援、育児支援関連についてすべてお示しください。
答弁
(こども未来局こども未来部幼保支援課)
(保健福祉局健康福祉部健康支援課)
エンゼルヘルパー派遣事業においては、利用回数の上限を30回までとしているところ、多胎児家庭では50回までに引き上げております。
また、各区の保健福祉センターにおいては育児サークルを開設しており、多胎児とその保護者および多胎児を妊娠中の方を対象に、相互の交流を深めたり、保健師等による相談も行っております。
今回の議会質問にあたりお話を伺った、千葉市の多胎児育児中の方、家事支援経験のあるヘルパーから出てきた要望は、
などです。
これらについて以下質問いたします。
病院を退院した後の受け入れ不可としている医療機関があると聞いております。
質問1-4
多胎児出産を行える病院は限られていて、産後ケアが受けられる病院で出産ができないのだから、その情報は事前に伝えるべきではないのか?伺います。
答弁
(保健福祉局健康福祉部健康支援課)
多胎の場合、出産に対応する病院が限られており、産後ケアサービスの利用が出来ない医療機関で出産することとなるため、今後、妊婦との面接の際に、必要な産後ケアサービスを受けられる医療機関等の情報の提供をできるよう努めて参ります。
ご答弁で産後ケア、エンゼルヘルパーの利用申請はその場で受け付けることが可能であるがファミリーサポート事業については現在申込書を預かることはしていないと了解しました。
質問1-5
申請のために窓口へ出かけること自体が困難である多胎児育児家庭への支援として、妊娠後期面接又は乳児家庭全戸訪問等において産後に受けられるすべてのサービスをその場で登録申請できるよう体制を整えるべきと考えますが、ご見解を伺います。
答弁
(こども未来局こども未来部幼保支援課)
(保健福祉局健康福祉部健康支援課)
多胎児支援として利用可能なサービスの中で、ファミリー・サポート・センター事業については、現在、本人確認書類の写しの添付を必要としていることから、妊娠後期面接又は乳児家庭全戸訪問事業等において、その場での申請受付を行っておりませんが、多胎児を育児している方の負担ができるだけ軽減できるよう、申請の手続きについて検討して参ります。
現在のコロナ禍での妊娠面談についてはオンラインでの面談も視野に入れる必要があります。
質問1-6
移動困難である多胎育児家庭においては産後のアウトリーチも訪問だけでなく場合によってはオンライン面談も積極的に取り入れるべきと考えるが、今後の体制整備の具体的なスケジュールをお示しください。
答弁
(保健福祉局健康福祉部健康支援課)
コロナ禍においては、市民が外出を控えることに加え、保健師等の家庭訪問を拒否する事例も増えております。一方で、虐待防止等の観点からは、定期的な見守りが必要なケースも多いことから、オンラインによる顔を合わせての面談は効果的であると考えます。
従来からの訪問や電話に加え、今月中にはオンラインによる面談を開始する予定であり、多胎児育児家庭支援においても、これらの手法により柔軟に対応して参ります。
ヘルパーからは家事・育児支援で多胎児家庭に1人で入っても、十分なケアができないので2人でサービス提供したいとの声があります。
質問1-7
質問:エンゼルヘルパー事業において、多胎児家庭には2人で同時にサービス提供行うことができますか?
答弁
(こども未来局こども未来部幼保支援課)
本市のコーディネーターが詳しい援助内容をお伺いし、ヘルパー派遣事業者と調整ができれば、2回分の利用となりますが、2人のヘルパーを同時に派遣することは可能です。
アンケートを実施した「考える会」では、「保育の必要性の認定要件に多胎育児を加え、多胎児であれば保育所に入れるよう働き掛けています。
千葉市では、保育の必要性認定要件は表の通り、多胎育児は特に考慮されず、一時預かりにおいても同様です。
多胎児の育児は想像以上に大変な育児状況で、
質問1-8
多胎児育児家庭が一時預かりを利用することが難しい現状について、一時預かりが必要な時に多胎児家庭が利用できるよう、体制を整備することを求めますが、ご見解を伺います。
答弁
(こども未来局こども未来部幼保運営課)
一時預かりの利用については、多胎児に関わらず、人手不足や定員などの理由により、利用できないことがあると認識しております。
多胎児を含め全ての家庭がサービスを利用し易くするため、一時預かり事業者を増やしていくよう努めて参ります。
政令市の横浜市、京都市、堺市、大阪市、福岡市では、多胎児加点をすでに行っており、来年度から名古屋市も加点するとのこと。
質問1-9
千葉市においては、保育園利用についての加点等ないが、今後変更する場合はどのような手順が必要か?
また加点することについてご見解を伺います。
答弁
(こども未来局こども未来部幼保運営課)
保育園等の入所選考の基準となる項目や点数等は、「千葉市 保育所等利用調整事務等取扱要領」で規定しており、多胎児を含む兄弟が同時に入所したときの加点は、同要領で定められております。
なお、例年、9月頃までに入所選考の基準となる項目や点数等の決定に係る調整を各区と行い、10月中旬の新年度 入所一斉申込の開始に併せて開示しているところですが、多胎児育児に特化した加点については、兄弟同時入所の加点を行っているため、現時点では予定しておりません。
今回の質問のきっかけとなった事例を紹介します。
上のお子さん3歳は保育園に通っています。
母親は育児休暇がとれないパートだったため離職し、双子が本年5月に生まれた際は育児休暇中ではなく、求職中扱いとなりました。
もし就労できなければ5か月後には上のお子さんは保育園で継続して保育を行うことは規則上できないといわれ、ご家族は多胎児家庭における保育継続のお願いを「市長への手紙」で出されました。
その回答で、「就労の為に順番を待つ人がいる中では、今の制度では難しい、再度の保育園を申し込んで空きがあれば通い続けることが可能。」と返答されています。
こういったケースに対応するためには、保育の必要性認定の要件に「多胎児を育てている家庭」を追加することが求められます。
法令上は特別な事情があると市長が認めた場合には、可能です。
質問1-11
ご見解を伺います。
答弁
(こども未来局こども未来部幼保運営課)
多胎児の育児を家庭で行うことによる負担は、大変大きいと 認識しておりますが、入所待ち児童が数多く存在する現状に おいては、国に先んじて、多胎児の育児を、保育を必要とする事由に加えることは難しいと考えております。
今後は、国の動向や本市の保育の需給バランスを見極め、検討して参ります。
<先進事例>を紹介します。
また、図【ベビーシッター利用支援事業】の通り、待機児童対策としてすでに行われている【ベビーシッター利用支援事業】に、新たに、多胎児への月16時間まで1時間2500円の補助を加えました。
国でも来年度に向けて育児サポーター派遣や妊婦健診費用の補助拡充など多胎児育児支援を手厚くする方針で動き始めています。
千葉市においても次のとおり要望します。
農福連携とは、障害者等の農業分野での活躍を通じて、自信や生きがいを創出し、社会参画を促す取り組みであり、「農業・農村における課題」と「障害者等の福祉における課題」双方の課題解決でWin-Winの取り組みと言われています。
全国の福祉事業者等が主体となり、取り組みが進んでいます。
連携が進むことで、障害者と地域との間で様々な形で交流が生まれ、地域コミュニティの活性化、地域再生へつながり、持続可能な社会の実現が期待されております。
国においても「農福連携等推進会議」が開催され、
表の通り、「認知度の向上」「取り組みの推進」「取り組みの輪の拡大」の3つのアクションを柱とする「農福連携推進ビジョン」をとりまとめ、省庁横断で農業と福祉の連携拡大を後押しし、人材育成などに重点を置いて障害者の社会的自立につなげる施策を推進していくとしています。
コロナの影響下でもますます注目を浴びている現状の中、千葉市においても農政の課題である「農地活用」「高齢化問題」対策として、農福連携は一つの有効な手段であることを明確に位置付け、推進する必要があります。
さらに、福祉の分野として、障がい者雇用以外にも、生活保護受給者や生活困窮者の中間的就労、ユニバーサル就労、社会的活動の一つとしても迅速に進める必要があります。
質問2-1
農福連携は、計画上でどのように位置づけられているか?
答弁
(経済農政局農政部農政課)
農福連携については、農業の多様な担い手として、障害者の社会参画機会を創出するという観点から重要であると考えており、現在、策定中である「千葉市農林業成長アクションプラン」において、取組みを検討しております。
質問2-2
千葉市では、千葉県障がい者就労事業振興センターを通じて企業、農家と障がい者就労施設とのマッチングや障がい者就労施設への農業技術の指導などを行っているとのことだが、
実際に農福連携を行っている農家、福祉サービス事業者がどれだけあるかをお示しください。
答弁
(保健福祉局高齢障害部障害者自立支援課)
(経済農政局農政部農政課)
これまで農業者に対して、農福連携に関する調査を実施したことがないことから、現況の把握はできておりません。
また、企業、農家と障害者施設とのマッチングですが、昨年度では市内での実績はなく、県内で2件となっております。
さらに、福祉サービス事業者への農業技術専門家の派遣の実績ですが、昨年度、県内13事業者、延べ79回、うち市内では2事業者、延べ8回となっております。
質問2-3
生活保護や生活困窮者支援の中で行われていた「農業等就労・社会体験支援及び就労準備支援事業」は農福連携を市が委託で行っている事例と考えるが、本事業の実施状況についてお示しください。
答弁
保健福祉局保護課)
この事業は、働くことに自信を失ってしまった方、ひきこもりであった方、精神疾患を抱える方など、すぐに一般企業で働くことが難しい方を対象に、一般就労に従事する準備として、
基礎能力の形成を計画的かつ一貫して行い、就労の促進につなげることを目的として平成23年度から実施しているものです。
昨年度の実績では、事業への参加者数は212人であり、そのうち、農場での就労体験者数は40人となっており、収穫の手伝いや耕作作業等に従事しております。
支援の効果としては、就職活動を開始した方が54人、中間的就労を開始した方が9人、就労先が決定した方が34人となっております。
質問2-4
また、本事業における課題と今後の方針についても伺います。
答弁
(保健福祉局保護課)
就労準備支援事業により、就労体験をした方が一般就労に至るまでは、その方の能力や適性に応じた一定の配慮と支援のできる就労先が必要となります。そのため、地域社会の中に 多様な働き場所が生み出されるよう、支援できる企業への働きかけを強化していくことが今後の課題と考えております。
本人の努力不足や能力の問題に焦点化した短絡的支援ではなく、多様な就労の受け皿の開拓とともに社会的な居場所や関係性の構築を可能とする地域づくりに向け、現在、策定中の「貧困対策アクションプラン」に位置付けるなど、検討して参ります。
農業に積極的に取り組む意志がある福祉事業所等が増えてきている中で聞かれる声として、
質問2-5
農地がなかなか借りられないとの認識があるが、実情はどうか?
また、実際に農地を利用している社会福祉法人等はどれだけあるか? お示しください。
答弁
(農業委員会事務局)
農地の賃借や所有については、農地法において、社会福祉法人が障害者の就労訓練の一環として農作業を取り入れるなど、必要業務として農地を利用する場合に、許可要件の一部を除外する規定があります。
具体的には、一定規模の面積を耕作することや、役員が農業に従事するなどの要件について除外がなされるというものであり、社会福祉法人等が農業委員会の許可を得た上で、農地利用を行うことは可能です。
本市においては、平成19年度から9つの社会福祉法人や学校法人、NPO法人がこの規定により、農地を賃借もしくは所有し、障害者の就労支援事業のほか、施設入所者のリハビリテーションなどの目的で農業経営を行っています。
今後とも、本市福祉部門と連携し、千葉市に参入意向のある社会福祉法人等に農地活用の情報を提供して参ります。
ご答弁からは、これまで農福連携の調査は行われておらず、計画も現時点では検討段階であることがわかりました。
また、生活保護や生活困窮者支援の中で行われていた「農業等就労・社会体験支援及び就労準備支援事業」は農福連携との認識は全く感じられません。
今後の千葉市農林業アクションプランの策定の中で「農福連携推進」について、しっかりと位置付けられることを強く要望したいと思います。
また、以前の他の議員への答弁によると
障害者就労施設に対して農福連携に関する取り組みの紹介を行っている
とのことでした。
農業者に対しても、JA関係者に障がい者の施設外就労の取り組み事例を紹介しているとのことでした。
今回の質問にあたり、確認しましたが、そもそも資料を提供しているのは千葉県障害者就労事業振興センターであり、市は関与しておりません。
農家や農業法人への好事例の紹介もJAに任せきりで、どのように紹介されたのか、農家・農業法人がはたして農福連携に関心を持っているのか、実態はつかめません。
障がい者や中間的就労を受け入れるのは難しいと決めつけているように感じられます。
国は農福連携等推進ビジョンを作成し省庁横断で後押しする体制ができているが、千葉市として推進役となる部署がはっきりしません。
質問2-1
まずは、農政部と高齢障害部の横連携が必要と考えますが
ご見解を伺います。
答弁
(経済農政局農政部農政課)
(保健福祉局高齢障害部障害者自立支援課)
これまで、千葉県の「障害者就労事業振興センター」を活用し、農作業の働き手としての就労のマッチング、及び農業の専門的知識と経験を持ったスタッフの紹介を行うことによって、農業技術の指導や助言などを行って参りましたが、十分であるとはいえない状況にありました。
今後は、農業と触れ合う場、機会の充実を図る観点から、国の「農福連携等推進ビジョン」に基づく支援事業の動向を注視しながら、両部のより一層の横の連携と情報共有に努めて参ります。
千葉市のHP上には農福連携推進に関するページがありません。
千葉市、農福連携と入れて検索しても農福マルシェしか出てきません。
せめて、福祉事業者、農家や農業法人が『農福連携』に関して相談できるよう、問い合わせ先だけでも、市のページに載せ、連携を推進する姿勢を要望します。
千葉市の取り組みはありませんが、農福連携に取り組んでいる千葉県障害者就労事業振興センターや千葉県農業者総合支援センターへリンクを貼ることも必要です。
この支援体制構築のため、千葉県農業者総合支援センターでは現在、農福連携サポーターを募集しており、農家・農業法人と障害福祉サービス事業者の双方への現場支援を行うとのことです。
「職」と「住」の距離が近いことが、就労継続につながると思います。
農業関係者と、障がい者等が市内でつながるために、農福連携サポーターと積極的に情報連携を行い、千葉市の状況を把握すること、また、農政部と高齢障害部の横連携が行える協議体など、体制整備を要望いたします。
都市と農村を併せ持つ千葉市として、千葉県を突き動かす取り組みを期待いたします。
様々な分野で業務停止により、孤立する市民が増え、孤立することで問題が重大化する懸念があり、特に影響が大きいと思われる各分野のお考えを伺います。
質問3-1
中止とした業務の影響をどのように考えているか又、代替手段を行ったか?
答弁
(保健福祉局健康福祉部健康推進課)
まず、シニアリーダー体操等の介護予防関連事業の中止による影響と、代替手段についてですが、介護予防関連の事業を中止や延期したことにより、高齢者の外出や運動、集まってコミュニケーションをとる機会が減る などの影響があったものと考えております。
また、高齢者の体力保持を図るため、在宅でもできる運動方法を市政だよりで紹介するとともに、シニアリーダー体操の動画を市ホームページに掲載したほか、ケーブルテレビで放映を行っております。
さらに、その他の事業では開催時期を延期して開催したほか、講座など複数回開催予定のある事業については、中止した回に申し込みのあった方について、次の回の開催時に優先して受付を行うなどの対応を行っております。
質問3-2
再度、緊急事態宣言が発出された場合の対応についてはどのような整理を行ったか? お答えください。
答弁
(保健福祉局健康福祉部健康推進課)
5月の緊急事態宣言の解除後、各事業を再開するにあたっては、本市で示した「新型コロナ下で市民生活を送るための道しるべ」に従って、人との距離を保つ、マスクを着用する、3つの密を避けるなど、新しい生活様式に沿って行動することを基本としつつ、業種別ガイドラインや、会場となる施設のルールを守り、それぞれの事業を行っていくこととしております。
今後の事業については、感染症予防に十分配慮しながら実施していくこととなりますが、再度、緊急事態宣言が発出された場合の事業の継続については、感染状況などを考慮しながら 判断して参ります。
介護予防事業の中止により、外出や運動、集まってのコミュニケーション機会が減るなどの影響があるとのことでしたが、その先の状態として、認知症の悪化なども懸念されます。
高齢者の認知症に関して広島大学が「新型コロナウイルス感染症の拡大による、認知症悪化と家族の介護負担増のオンライン調査結果を発表しています。
高齢者やその家族の悩みがある場合には、あんしんケアセンターなどに相談が寄せられると思いますが、
質問3-3
認知症が悪化する等の影響について状況を把握していますか?把握している場合には対策について伺います。
答弁
(保健福祉局地域包括ケア推進課)
あんしんケアセンターへの相談件数のうち、認知症に関する相談は、本年6月末時点で昨年度と比べ約1割の増加となっております。
また、先月に実施した同センターへのアンケートでは、新型コロナウイルスの影響により利用者に起きている問題の一つとして、「認知機能の低下」が挙げられており、コロナ禍における社会活動の自粛等が、高齢者に影響を与えているものと認識しております。
このため、同センターでは、このような高齢者の把握をした場合には、家庭訪問等により、心身及び生活の状況を確認し、必要に応じて医療や介護サービスに繋ぐとともに、コロナ禍での高齢者の健康維持や孤立化防止を図るため、感染防止に留意した上で、運動や人との交流を促す情報提供を行っております。
さらに、生活支援コーディネーターが中心となり、地域の通いの場の実態把握を行った上で、参加人数、開催時間の制限、開催内容の変更、オンラインの活用等、感染防止対策を徹底した通いの場の再開に向け、支援を行っております。
今後も、高齢者の健康状態を維持するため、個々の状況に合わせた支援を行うとともに、高齢者が社会参加しやすい環境を整備して参ります。
質問3-4
原則サービスを継続することが求められた障がい者福祉サービス事業ですが、その中でも短期入所は事業者によっては制限するケースもありました。
このような事業者による短期入所受け入れの制限については市として把握をしたのか?
また影響をどのように考えているか。
答弁
(保健福祉局高齢障害部障害福祉サービス課)
本年4月の緊急事態宣言発令以降、市内の短期入所事業所に向け、国の通知に基づき、感染予防を徹底の上でサービスを継続するよう周知したところですが、事業所内のクラスター発生防止のため、利用者への自粛要請や新規利用の受入制限等を実施した事業所があったことを把握しております。
利用が制限されることにより、保護者の休息が取れないことや緊急の用事への対応が困難になるなど、利用者や家族の生活に影響があったと考えております。
ケースワーカーは訪問を自粛していたと伺っております。
質問3-5
利用者の状況を確認する必要不可欠なものと了解しておりますが、4,5月中の訪問自粛による影響についてはどのように考えているか?
答弁
(保健福祉局保護課)
緊急事態措置期間の生活保護業務の取扱いについては、本年4月初旬に国から通知が示され、これに基づき対応してきたところです。
訪問調査活動については、緊急対応等最低限度必要なもののみ実施することとされ、臨時訪問等やむを得ず訪問を実施する必要がある場合には、十分に注意を払った上で行い、調査内容も実地に確認等が必要な事項に限定し、その他の事項については、後日電話等により聴取する等、訪問時間が長時間にならないように工夫することとされたところです。
訪問自粛の影響としては、訪問調査活動の再開後に家庭訪問をしたところ、居室内にゴミが散乱するなど、生活に関する指導が不十分となってしまった事例や、就労が可能な方への 自立助長に向けた支援が疎かとなった事例が認められるなど、必要な支援ができなかったことが散見されたところです。
質問3-6
今後、緊急事態宣言等の発出の際には、ケースワーカーによる訪問は同様に自粛するのか? お答えください
答弁
(保健福祉局保護課)
基本的には、今回、国から示された取扱いと同様の対応になると考えておりますが、訪問自粛により明らかとなった様々な影響が解消されるように、必要に応じて国に確認を行い、 最低限必要な訪問調査活動は行いつつ、生活保護を受けている方への支援が滞ることの無いよう努めて参ります。
質問3-7
乳児家庭全戸訪問事業のうち、地域保健推進委員の訪問が現状中止された状態となっていることの理由と影響について伺います。
答弁
(保健福祉局健康福祉部健康支援課)
地域保健推進員は生後2か月のお子さんのいる家庭を訪問し、子育てや家族の健康について相談に応じたり、地域の育児サークルの紹介や母子保健サービスの案内などを行うとともに、母親からの相談を保健福祉センターへ伝えるパイプ役としても活動していただいております。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、厚生労働省からの通知や、生後2か月のお子さんとその母親、また地域 保健推進員自身の感染リスクも考慮して、家庭訪問による対面での支援を中止し、子育て情報をポストに投函していただいております。
その後は、乳児家庭全戸訪問指導員等が電話や訪問により育児状況を確認し、相談等に対応しておりますが、今後はオンラインを活用した支援も実施していく予定です。
また、地域保健推進員による生後2か月児の家庭訪問については、再開に向け準備を進めているところです。
質問3-8
育児サークル、子育てリラックス館など子育て支援関連業務の予約制限等の実態と、情報の周知についての状況を伺います。
答弁
(保健福祉局健康福祉部健康支援課)
育児サークルは、地域の公民館や自治会集会所等で、市社会福祉協議会の地区部会等と連携し開催しておりますが、緊急事態宣言中は、開催を中止しておりました。宣言解除後は、時間制限を設けるほか、事前に参加の有無を確認し、感染防止策を講じることが可能なサークルから順次再開しているところです。
開催中止や再開については、市ホームページや開催会場の掲示物等で周知しております。
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答弁(こども未来局こども未来部幼保支援課)
子育てリラックス館などの地域子育て支援拠点事業については、本年2月末から5月末まで休館しておりましたが、再開後は、できるだけ密の状態を避けられるよう、各施設の状況に応じ、1回当たりの利用時間を制限し、利用する人数に定員を設けたり、利用者の入れ替わり時に消毒等を行う時間を設定したりするなどの感染症拡大防止対策を行いながら運営を行っております。
また、利用に関する情報については、各施設のホームページ等に掲載しております。
(1)
高齢者の認知症悪化の傾向がみられることから、地域の通いの場の再開に向けた支援及び再開の周知についてはより丁寧な対応を要望します。
(2)
障がい者短期入所については市が業務継続をお願いしても、事業者から利用者へ利用自粛のお願いが行われ、実際にはサービス利用ができないケースもあると理解しました。
事業者の感染予防対策の相談に乗り、受け入れないことが無いよう、指導することを要望いたします。また、受け入れ困難な場合は代替サービスを調整するとのことですが、金銭的負担につながる懸念があります。
Withコロナの状況下でのサービス提供の在り方により、利用者の困難状況が悪化して最悪の事態が起きないよう、ご対応お願いいたします。
(3)
生活保護行政における訪問調査については法定受託事務のため通知に従うとのことですが、オンラインの活用など、対面を避けて、より訪問に近い形で業務を実現する手段は、導入を検討すべきと考えます。
以前より要望しておりますが、特に子供のいる世帯に関しては、コロナで自粛中だから訪問できないと正当化せず、オンラインで目視するなど改善を要望します。
(4)
産後の母親に対する支援について地域保健推進委員は、孤独な育児のスタートに対して、地域の情報を届けるなど大切な役割を担っています。
他の様々な活動が感染対策をした上で再開する中、活動がここまで停止していることで、大切な役割を放棄させているのではないか、保健師がすべて担うのではなく、地域との連携の大切さを改めて認識し、早期に対応するよう要望します。
コロナだからできない、安全第一でやめました、と発表することは簡単ですが、市の事業として、委託先の判断基準に対しても目を配り、必要な業務を簡単にあきらめるのではなく、オンラインの活用、分散での開催等、行うための指針を多数提示することを求めます。
(5)
学校へ行けなくなった児童生徒、子どもの身体と心に影響する活動の中止などを伺う予定でしたが、現場の先生方が試行錯誤しながら、消毒や清掃作業など今まで 以上に増えた業務をこなされている中で、文部科学省も現状把握の調査活動は現在自粛していると聞きましたので、今回は要望のみお伝えさせていただきます。
子どもが関わる行事は、中止にする前に、行える方法を模索し、子どもの参画をしっかりと保証してください。
中止する理由を並べあげるだけでなく、何ができるのか、代わりのやり方はないのか、守るべきルールは何か、当事者である子どもを巻き込んで検討を進めることを求めます。
子どもたちの柔軟な頭を今こそ発揮してもらうチャンスです。
最後に、本来業務の役割期待から、コロナ感染のリスクと、業務を止める、変えることのリスクについて、今一度考えなおして戴きたい。
冬の流行の可能性を見据え、今真剣に議論し、孤立によって事態が重大化しないよう、業務停止については代替手段を含め、慎重に取り組まれることを要望いたします。