今定例会に提出されました議案のうち、
避難所における3密対策を回避することを目的に、分散避難を推進するための取り組みとして、災害備蓄品の整備事業に約1億5700万円、避難所の情報連絡体制強化事業に4,752万円の歳出予算を追加するものです。災害備蓄品管理及び分散避難どちらも推し進めるべき大切な事業です。
3点質問いたします。
質問1
① 各区分散保管でなく、一括保管できる大規模の倉庫を必要とする理由について
② 被災時の各避難所への配備ルート確保について
③ 自治会集会所は初動避難に活用するとのことで、アルファ米と飲料水を整備するとのことですが、簡易トイレ、消毒物資等、初動避難に必要な物資も必要と考えるがご見解を伺います。
答弁
(総務局防災対策課)
まず、一括保管できる大規模の倉庫を必要とする理由についてですが、災害発生直後に必要な物資については、指定避難所等に分散備蓄しているところですが、被害の状況等により、必要に応じて配送する物資については、限られた人材・車両等を効率的に活用する必要があることから、一括保管することが適切であると考えております。
また、現在、整備を進めている段ボールベッドや、国等からプッシュ型で送られることが想定される物資等を円滑に仕分けし、搬送するためには、 、フォークリフトによる運搬や大型トラックによる搬入出が可能な大規模倉庫が必要であると考えております。
次に、各避難所への配備ルート確保についてですが、 本市では、災害時の物資供給に関わる庁内関係課と物資運送等に関する協定を締結している民間事業者で構成する「千葉市災害時の物資供給に係る連絡会」を設置し、災害時の物資の受入れや供給を円滑に行うための検討を進めております。
新たな倉庫の運用につきましても、当該連絡会で、専門家のご意見を取り入れながら、配備ルート等について検討して参ります。
最後に、簡易トイレ、消毒物資等、初動避難に必要な物資についてですが、町内自治会のトイレが使用できないような被害があった場合には、集会所の安全が確認できるまでの間は、指定避難所でマンホールトイレや簡易トイレ等をご利用いただきたいと考えております。
また、 このたび配布を考えている備蓄品以外の物資につきましては、各家庭から集会所に持参するなど、 自助・共助で対応していただき、不足が生じた場合には、拠点となる指定避難所で配布を受けていただきたいと考えております。
新型コロナウイルス感染症の影響を受けた市民活動団体を支援するとともに、市民活動の底上げを図るため、ふるさと納税を活用した新たな資金支援制度を創設するものです。
以前より補助金等の財政支援や、活動拠点への支援や情報提供支援を求めてきただけに、本制度については大変期待をします。市の財政負担で行うのではなく、市民が市民を応援する形となる本支援制度を市が行うことに意味があると考えます。
対象団体をNPO法人としていますが任意団体でも地域コミュニティの為に貢献している団体は多数あります。本制度の対象団体の拡大についてはさらに検討をしていくと伺っており、大変期待するところです。
しかし、良い制度を創設しても、活動している地域団体や市民が知らなくては意味がありません。
そこで2点伺います。
質問2
市民が制度を知る機会を増やす取り組みとして
① 本制度の周知をどのように考えているか?
② また、報告をしていただくことで、活動について市民にさらに知
ってもらう機会とすることができると考えるが
実績報告についてのご見解を伺います
答弁
市民局市民自治推進部市民自治推進課(答弁)
まず本制度の周知方法についてですが、本制度の実施にあたり、市政だよりや市ホームページで周知するとともに、 NPO法人に対しては、制度の趣旨や概要を郵送にて案内するほか、市民活動支援センターやボランティアセンター等の市民活動を支援する施設を通じて広く周知して参ります。
次に、実績報告についてですが、寄附金の交付を受けたNPO法人に対しては、法人の活動実績や寄附金の使途を確認するため、実績報告の提出を求めて参ります。
市内での文化芸術活動の再開を後押しするため、
①文化芸術発表の支援
②デジタルミュージアム推進
③文化芸術鑑賞イベント支援
④動画配信環境整備助成など
を実施するとのこと。
コロナ禍において、不要不急でない外出が自粛されたことにより、打撃の大きかった文化芸術関係者にとって、これからの新しい文化芸術の在り方を模索する大切な施策であるとかんがえ評価いたします。
いくつかさらに考慮が必要と思うこともあり、質問いたします。
●文化芸術発表支援について
プロが行う文化芸術活動は、今後も無観客や定員減となる可能性が多く、入場料の減少の中で、出演料などの出費によりやっても赤字である可能性があるリスクの高い事業と考えます。
今回の補助事業で事業者からどれだけ手が上がるのか疑問があります。
質問3
① 本事業はリスクの少ない趣味範囲内の発表会を想定しているのか?今回の支援が芸術家の支援となるのかお示しください。
② 又、発表会の会場としてコミュニティセンターホール等の利用も想定されるが、今回対象としない理由は何か?
答弁
答弁
市民局生活文化スポーツ部文化振興課(答弁)
まず、趣味範囲内の発表会を想定しているのか及び芸術家支援につながるかについてですが、今回の事業の趣旨は、入場料の有無に関係なく、また、発表や公演につながる練習も含めて、市民の皆様の発表の場及び芸術:家による公演を支援するものとして考えております。
次に、 コミュニティセンターホール等を対象としない理由についてですが、今回の支援対象施設としては、劇場法に位置付ける公共文化施設で、専用のホールとして利用料金が他の公共施設より高い設定となっていることから、支援対象としたものです。
●動画配信環境整備事業助成について
コロナ禍の中、一番文化芸術を伸ばす手段になるものとしてIT利用への期待は大きいです。
最近注目のスワイプビデオの技術、スライドがアプリを開発している事業者のホームページですが、こちらを活用して撮影することなどは、ライブハウスのみならず、オペラ、ミュージカル、様々な舞台芸術にも活用可能と考えます。
そこで、2つ伺います。
質問4
③ 補助額の設定の根拠について
④ 機材や通信環境整備への補助だけでなく、新しい技術を使って配信する場合の撮影や編集作業の外注費用も助成対象となるか?
答弁
市民局生活文化スポーツ部文化振興課(答弁)
まず、補助額の設定の根拠についてですが、補助額の設定根拠は、他都市等を参考に、一般的な機材等の設備費を補助対象の範囲として設定したものであります。
最後に、撮影、編集作業の外注費用も含めて助成対象にすることについてですが、本事業においては、基本的には店舗が機材等を活用し、動画配信を自ら継続的に行っていただくことを想定しており、外注による撮影等の費用を補助対象経費にすることは考えておりません。
新型コロナウイルス流行の中、保育園等の利用に不安を感じる保護者の選択肢として、モデル的に在宅保育を支援するため、保護者の就労のために保育困難な3歳未満児を在宅等で保育する市内在住の祖父母など3親等以内の親族に月1万円の給付を行うものです。
本事業により、感染症リスクを低減するため保育園へ預けずに祖父母などへ預けることを選択肢の一つとして市が提示することとなります。
しかもモデル事業とはいえ、保育需要の縮減につながるとする当局の考え方には危険を感じずにはいられません。
そこで質問します。
質問5
① 保育所等に通う場合の一人当たりの経費と今回の給付額の設定根拠を合わせてお示しください。
② また、家庭保育から社会で子育てを進めていこうとする現在の社
会情勢と逆方向の提示となることについて、どのように考えてい
るのか、お示しください。
答弁
こども未来局こども未来部幼保運営課(答弁)
まず、保育園等に通う児童1人当たりの経費と今回の給付額の設定根拠についてですが、保育園等に支払う給付費は、児童の年齢や施設の規模により大きく異なりますが、定員19人の小規模保育事業をO歳児が利用する場合の、利用者負担額及び国・県費を差し引いた市の負担額は月額約7万4千円となります。
また、本事業の給付額の根拠についてですが、公定価格に含まれる3歳未満児の給食材料や保育材料に要する費用である一般生活費が月額約1万円であることから、当該給付金を同額に設定したものです。
最後に、家庭保育から社会で子育てを進めていこうとする現在の社会情勢と逆方向の提示となるとのことですが、本事業は、就労を要件としており、人口減少社会における女性の就労促進という社会の流れに沿ったものであります。
また、保育園等の利用に加え「祖父母等による在宅での保育」という新たな選択肢を提示するものであり、現在の社会情勢と逆方向の提示となるとは認識しておりません。
あくまで1つの選択肢としての提示とのご答弁でしたが、家庭保育に近い社会的預かりはまだまだ未熟であると考えます。
質問6
今現在、市から補助を受けていないような、週一定回数以上預かりをする一時保育事業者への補助や、ファミリーサポート提供会員を活用した新たな預かりの制度等、社会で子育ての後押しとなる事業への展開など検討をすすめるべきではないか?
ご見解を伺います。
答弁
こども未来局こども未来部幼保運営課(答弁)
-時預かり事業、 ファミリー・サポート ・センターを活用した新制度など、社会で子育て支援を行う事業の拡充の検討についてですが、本事業は、家庭での保育の拡充を求める方も一定程度は存在するものと考え、既存事業の拡充とは別の新たなモデル事業として実施するものであり、一時預かりやファミリー・サポート・センターなどの事業についても、引き続き力を入れていくこと により、子育てしやすいまちの実現を図って参ります。
本事業は、新型コロナウィルスによる再度の休校事態にも児童生徒の学びを保証するために、オンライン指導の環境を整備するために所要の経費3800万円の補正予算を行うものです。
今回はオンライン教材・動画による指導、同時双方向によるオンライン指導を実施する必要性から、家庭等でも使用できる通信設定を行った上で、児童生徒への端末貸与の仕組みを整えること、また教師用にWEBカメラを必要数購入するとのこと。
第2回定例会では、GIGAスクール構想の前倒しとして、ハード導入と環境整備のみが先行しており、コロナ禍の今こそ、オンライン教育の特性を生かした積極的な取り組みが必要と討論でも申し上げましたので、今回の議案に関しては評価するものです。
今回のオンライン指導の環境整備では、GIGAスクール構想での一人1台端末導入に向けて準備を進めていく必要があります。
導入の段階では、オンライン教育初めて取り組んでいく現場の先生方にとっては、機器の利用についての不安や、悩みは尽きない状況が予想されます。しかし、4校に1人のICT支援員の配置を国は目標水準としている中、千葉市は現在、市全体で2名のICT支援員しかいない現状であり、サポート体制には不安が残ります。
また、学校によってルールが違ってしまうことや、教員によって大きく差が出る可能性もある一方で、それぞれの教員による自由な発想で、オンライン授業や指導を行える環境を整える必要があります。各教師、学校で試行錯誤しながら、千葉市全体でオンライン学習の特徴を生かした好事例を積み重ねていくことを望みます。
機器の利用方法などのシステム的なサポートと、学習としてオンラインを活用することのメリットデメリットを積み上げていく教育ツールとしての研究の両面のサポートが必要
さらには、家庭での学習となることで、家庭との相談連絡体制の整備も必要です。
そこで、3点伺います。
質問7
① 家庭で使用できる端末がない児童生徒の調査を行った結果について、及び今後の他学年への拡大の見通しについて
② IT支援員の配置について
③ オンライン教育全般についての
教師間での情報共有、保護者等からの相談体制、教員向け研修について
お示しください。
答弁
教育委員会学校教育部教育改革推進課(答弁)
まず、家庭で使用できる端末がない児童生徒の調査を行った結果、及び今後の他学年への拡大の見通しについてですが、 調査結果では、家庭においてパソコンやタブレットが使用できる状態にない児童生徒は、小・中・高・特別支援学校あわせて1万3, 256人であり、特に、次年度以降に教育課程を繰り越すことができない小学校6年生、中学校3年生、高等学校3年生、特別支援学校各部の最終学年の児童生徒の合計は2, 944人でした。学校が休校になった際には、特に次年度以降に教育課程を繰り越すことができないこれらの児童生徒に優先的に貸与することを想定しておりますが、市内における休校の状況や各学校の状況等に応じ、その他の学年の児童生徒にも貸与して参りたいと考えております。また、 GIGAスクール構想により1人 1台端末が実現されれば、全ての学年の児童生徒について、端末を家庭で使用できる環境が整備されることになります。
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答弁 教育委員会学校教育部教育センター
次に、 ICT支援員の配置についてですが、機器の操作に不慣れな教員を支援し、 ICTの活用を促進していくため、継続的にICT支援員を配置することが不可欠であると考えております。
今後もオンライン教育の一層の推進を図るため、教員のICT活用のサポート体制の充実に努めて参ります。
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教育委員会学校教育部教育指導課(答弁)
次に、オンライン教育についての教師間での情報共有、保護者等からの相談体制、教員向け研修についてですが、すべての児童生徒がその効果を等しく享受することができるように教職員間の情報共有を図るととともに、指導体制の整備に努めることが重要であると考えます。そのために、校内の情報教育担当を中心とした「メディア主任研修会」等を実施し、研修内容を校内に広げて共通理解を図るとともに、児童生徒が家庭学習を円滑に進められるよう、オンラインによる学習方法について、保護者にも周知を図って参ります。
質問8
オンライン学習のメリットとして、学校に来ることに困難を抱える不登校児童生徒などへの学習ツールとして効果を発揮している事例があることは第2回定例会でも申し上げましたが、今回のオンライン指導のための環境整備をすすめる中で、不登校児童生徒や特別支援学級での利用・活用をどのように位置づけ、検討を進めるのか。
お示しください。
答弁
教育委員会学校教育部教育改革推進課(答弁)
不登校児童生徒や特別支援学級での利活用についてですが、今回整備を行う4,864台の端末貸与については、不登校児童生徒や特別支援学級の児童生徒も対象としているところですが、特にこれらの児童生徒に対するオンライン学習の充実については、今後検討を進めて参りたいと思います。
インターネットによる資料収集等を可能とし、図書館における学習機会の充実を図るため、館内のWi-Fi環境を整備するものです。
利用者のICT利用環境が整うことは、現在のニーズを捉え早急に進めるべきことと考え、評価するものです。
千葉市図書館ビジョン2040でも、知を生み出す場の提供として、ICT 機器を用いて学びや調査・研究を支援する環境などは十分でなく、ICT 機器が利用できる環境を整備するとともに、開放的な学びや「知」の交流の場を提供することが期待されるとされております。
全国的にもパソコン等の持ち込みにより学習や調査活動の環境を整えている図書館も多くなっております。
下表のように、図書館におけるパソコンの持ち込みに対してはWi-Fi整備と合わせ電源利用について、各政令市でも取り組んでおります。
スライドの表、一番右の列で示したのが、電源利用の可否となりますが、緑が利用できるところ、黄色が一部利用できるところ、各館に問い合わせとのホームページに記載のところも一部利用できると想定できるため、使えないとしているのは千葉市を含め3市のみです。
さいたま市では写真のように、Wi-Fiや電源利用ができるコーナーを明示し、HPでもわかりやすく掲載されております。
名古屋市では、2017年に図書館のバージョンアップされた際のチラシでWi-Fi利用と合わせ、電源つきでパソコン利用ができることを広報しています。
千葉市としての取り組みが気になるところです。
そこで、2つ伺います。
質問9
① 今回のWi-Fi整備による効果について
② 今後の電源の確保についてのご見解を伺います。
答弁
教育委員会生涯学習部中央図書館管理課(答弁)
まず、Wi-Fi整備の効果についてですが、いつでも、どこでも、インターネットによる資料検索・収集が可能となるとともに、迅速な資料収集により、図書館における滞在時間が短縮され、感染リスクも軽減されるなどの効果が期待できるものと考えております。
また、Wi-Fi環境を整備することにより、 これまであまりインターネットを利用して資料収集等を行ったことがない方に対して、司書職員が中心となってインターネット検索のノウハウや、サポートを行うなど、更なるサービスの充実に努めて参ります。
最後に、今後の電源の確保についてですが、現状、図書館については、閲覧スペースなど、電源を確保するコンセントがない状況にあります。今後、Wi-Fi環境の整備を進めていく中で、各図書館の電気設備状況等も踏まえ、電源の確保についても検討したいと考えております。