【目次】
難病及び指定難病について<スライド1>をご覧ください。
難病の定義は、原因が不明で、治療方法がなく、希少で、長期の療養が必要な疾患です。
指定難病は難病の定義に加えて、患者数が少なく、診断基準が確立している疾病であり、国が医療費の助成を行っています。指定難病は、厚生労働省が認可するもので、現在は338の疾病が指定されています。
2018年4月「難病の患者に対する医療等に関する法律」の改正により、政令市も難病相談支援センターの設置主体に定められたことにより、千葉市は、「千葉市難病相談・支援センター」を国立病院機構千葉東病院内に設置しました。
もともと千葉県の委託により地域難病相談支援センターとして運営してきた体制を千葉市として設置しなおしたものとなっております。
質問1-1
千葉県より難病関連の様々な業務が移管され5年が経過しましたが、
千葉市における難病支援の現状と課題についてお示しください。
答弁
(保健福祉局健康福祉部健康支援課)
難病支援の主な事業は、医療費助成と相談支援です。
医療費助成は、国が指定した難病にり患した方に対し医療費を助成するもので、令和4年度の受給者数は、7,449人でした。
相談支援は、難病相談支援センターを千葉東病院に委託し、電話や面談による相談に対応しております。
課題としましては、難病は300を超える種類があり幅広く、様々な悩みを抱える方が多く、本市として今後一層の相談支援体制の充実強化が必要であることと認識しております。
医療費助成の審査業務ほか、難病相談支援センター運営など難病関連業務が県から移管され、職員補充の十分でないまま、コロナ禍もあり、体制を整えるにはご苦労あったと思います。
質問1-2
現在の 難病相談支援センターにおける業務内容・運営体制及び予算額の推移についてお示しください。
答弁
(保健福祉局健康福祉部健康支援課)
難病相談支援センターでは、難病患者ご本人やご家族の方が抱える療養生活や日常生活上の不安や悩み、就労に関することなど、様々な相談に応じるほか、市民向けの講演会や関係者向け研修会、難病患者の交流会、当事者と医療や就労に関する関係機関が連携を強化するための「難病対策地域協議会」の開催などを行っております。
運営体制は、千葉東病院の医療相談室へ委託しているものですが、難病相談支援センターの機能として、難病相談支援員、就労支援担当職員を配置し相談に対応しております。
予算額は、移管初年度の平成30年度は263万円、その後大きな変動はなく、今年度は289万円です。
センターに関して県から移管後の予算規模に変動がないことを理解しました。
アンケート調査では難病患者の4割が難病相談支援センターの存在を知らず、相談できているのは2割未満との結果です。
質問1-3
難病相談支援センターの周知はどのように行ってますか?
答弁
(保健福祉局健康福祉部健康支援課)
市ホームページでの周知のほか、各区健康課の窓口において、難病に関する支援制度をまとめたガイドブックを配布し周知を行っております。
また、ハローワーク千葉と連携し、ハローワーク内に設置されている難病患者専門相談窓口においても、同様の周知を行っております。
ガイドブックを医療費助成の窓口である各区健康課で配るだけですと、指定難病以外の難病の方には届きません。
今後必要な方に的確に届けるため、指定医療機関にも配布すること、またSNSでの発信など周知方法の拡充を求めます。
政令市でのセンター運営について一覧を作成してみました(スライド2)
他の自治体では難病連などが委託を受け、難病患者当事者の就労の場になって多数の疾患に関わる様々な相談に円滑に対応できている例もあります。
またピアサポートのみ難病連に委託する自治体もあります。
質問1-4
千葉市における、患者会や家族会等との連携相談体制はどのようになっていますか?
答弁
(保健福祉局健康福祉部健康支援課)
難病対策地域協議会の委員として、難病支援における課題等について意見をいただいたり、支援者向け研修会において、講師として当事者の思いを伝えていただくなどしております。
また、難病相談支援センターや保健福祉センターで相談を受けた際に、患者会や家族会等を案内しております。
相談を受けた場合には紹介しているとのことですが、患者会や家族会の情報は現在千葉市難病相談支援センター、及び千葉市の難病支援のページには記載がありません。
どの程度の患者会とつながっているのか見えない状況です。
もともと県の難病相談支援センターが県内8病院で行われていたもの1病院分を千葉市の相談支援センターとしたものですので、県で行われてきた業務を踏襲したところからのスタートであったと想像されます。
患者会や家族会のリストの掲載は千葉県総合難病相談支援センターのページにはありますが、ピアサポートなどの業務はなく、これまでの患者会や家族会の立ち上げ支援や連携が不足しているのではないでしょうか。
医療機関へ委託されてきたことで、これまで病院内の地域連携室が行ってきた難病患者の退院調整等が支援相談の件数にカウントされてきたのではないかとのご意見もあります。
今後は、千葉市としての難病支援の在り方を検討し、ピアサポートなどは患者会や家族会などと連携体制を構築すること、またそういった団体への支援の充実を求めます。
難病対策地域協議会の議事録によると
・障がい者基幹相談センターからは医療費助成やサービスの対象にならない方からの相談に対応することができること
や、
・ハローワークからは就労していると福祉サービスが受けられないことがあること
など、 重要な情報交換されていることが確認できました。
しかし、それが、集約できておらず課題と考えます。
各政令市の難病支援センターのホームページを比較すると、千葉市のセンターは、残念ながら情報量が乏しく、必要な情報を届けられているようには見えません。
県内で行われるイベント情報が一覧できるようにするなど対策が必要です。
一例ですが、【スライド3】は、神奈川県と神奈川県内政令市とで委託しているかながわ相談支援センターのホームページの一部です。
講演会・交流会のご案内、就労支援、ピア相談など各項目ごとにまとまっています。
今後の情報提供の充実を求めます。
さらに、難病支援では療養に関すること主ですが、当事者からは、日常生活の支援、育児や就労に対するサポートが望まれています。 そこで、難病を持って育児をされる方への支援について伺います。
障害福祉サービスの受給を受けるまで、難病であって障がい者手帳がなくてもサービスを受けられることを知らない当事者が多いという実態があるそうです。
また、育児支援に関しても障がい者本人への支援であり、その子どもに対する支援は行えないとの誤解があるため、【スライド4】のように「育児支援」に関する通知として、【障害者総合支援法上の居宅介護(家事援助)等の業務に含まれる「育児支援」の取扱いについて】が出されています。
通知には対象範囲として、利用者である障がい者本人が行うことが困難な家事や付き添いとあり、例えば、親へのサービスと一体的に行う子どもの分の掃除、洗濯、調理など具体的な事項が書かれております。
難病患者の子どもとして生まれてきたことで、ケアラーとして困難を抱えることのないよう、また親として育児が出来ないことで罪悪感を持つことの無いようしっかりと周知が必要です。
質問1-5
障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスである居宅介護の家事援助に含まれる育児支援の取り扱いに関する国通知について、どのように周知に取り組まれていますか?
答弁
(保健福祉局高齢障害部障害福祉サービス課)
育児支援の取り扱いに関する通知については、事業所説明会や事業所への個別通知等により事業所に周知しております。
今後は、市民への周知について検討して参ります。
難病患者も当たり前に育児ができる千葉市を創るため、相談窓口でもしっかりと利用者への周知を行い、事業者の誤解によりサービスが受けられないことの無いよう、ホームページやガイドラインなども活用し、当事者に向けての周知をよろしくお願いします。
また、障害福祉サービス事業所の中で育児支援を実際にできる事業所をリストアップするなど、相談を受けた際に情報提供できるよう実態把握を要望します。
障害者職業総合センター調査研究報告書「難病のある人の雇用管理の課題と雇用支援のあり方に関する研究」によると 【スライド5】のとおり、30%の職場でしか配慮が提供されていないとされています。
理解がないために、就労後10年で半数近くの難病当事者が離職しています。
事業者への啓発と共に、難病をもつ人の就労に関する相談体制が求められます。
障害者職業総合センター調査研究報告書「難病のある人の雇用管理の課題と雇用支援のあり方に関する研究」によると【スライド5】のとおり、30%の職場でしか配慮が提供されていないとされています。
理解がないために、就労後10年で半数近くの難病当事者が離職しています。
事業者への啓発と共に、難病をもつ人の就労に関する相談体制が求められます。
雇用促進のためには、テレワークの推進など、難病患者の働きやすい環境整備、病状を考慮した配属など配慮への認知向上が必要です。
また、患者会や家族会の方が病状に合わせたアドバイスができる可能性もあり、ハローワークだけに頼るのではなく、センターでの機能強化も要望します。
ハローワークは市内1箇所しかないため、難病患者就労サポーターが各区へ出張相談を行うこともご検討ください。
また、小児慢性特定疾患の移行患者については、就労支援等に特段の配慮が必要との声もあります。
総合的な難病支援の中で、将来を見据えられる情報連携をお願いたします。
最後に、【スライド6】は厚生労働省難病対策委員会資料より作成したイメージ図ですが、千葉市においても、難病相談支援センター及び難病相談全体の今後の在り方の整理が必要です。
難病相談支援センターの機能拡充、患者会や家族会など関係機関との顔の見える関係づくりにより、相談内容に合わせた的確な対応ができる体制整備と情報提供方法の改善、掲載情報の内容拡充を求めます。
千葉市における2020年の農業経営体は911で5年前に比べて213経営体減少しており、19%の減少率で、減少に歯止めがかからない状況です。
一方で農地を借り受け経営耕地面積を広げて規模拡大を図っている意欲ある担い手が存在していることから、今後活用されなくなった農地を意欲ある担い手に集積することが求められています。
意欲ある農業者への支援は千葉市農業基本計画でも掲げていますが、若手農業者からは、千葉市ではまとまった農地が見つからないと指摘されております。
農地を探す場合は、農業委員や農地利用最適化推進委員に貸したい意向のある農地を紹介してもらう方法があると伺っております。
平成28年の農業委員会法の改正により、法改正前の農業委員会の中心業務である「農地の権利移動・転用の許可等業務」に加え、新たに「農地等の利用の最適化の推進」が農業委員会の最も重要な業務に位置づけられました。
これにより、地域の農地が最適に利用されることを推進していく、農地利用最適化推進委員が新設されました。そこで伺います。
質問2-1
新たに農地利用適正化推進委員が設置されたことにより、この5年間で活動がどのように変わったのか、お示しください
答弁
(農業委員会事務局)
「農地等の利用の最適化の推進」活動においては、農業法人や新規就農者の参入農地の調整など、委員自身が地域や個々の農業者の課題を認識して行動することが増えています。
また、市内を6グループに分けた農業委員と農地利用最適化推進委員混成のグループがそれぞれの目標を定め、地域農業の課題解決に向けた活動を実施するなど、委員活動全体が活性化しているものと考えます。
農業法人や新規就農者の参入農地の調整を行うとのことですが、現場の農業者からは希望する農地が見つからず、八街市や習志野市の農地を借りることにしたとの声も届いています。
質問2-2
これまでの取組みの成果として、農地の貸借はどのくらい進んでいますか。
答弁
(農業委員会事務局)
平成30年度81.6ha、令和元年度61.1ha、令和2年度102.8ha、令和3年度90.8ha令和4年度46.7haとなっています。
この5年間で増減はありますが、令和4年度の貸借は対前年比で半減しています。
やる気のある農業者がより円滑に農地を拡充できるよう、優良な農地情報を収集し、貸借を促進する必要があると考えますが、
質問2-3
農地の集積・集約に関する課題をどのように捉え、今後どのように取り組んでいくのか。お答えください。
答弁
(農業委員会事務局)
(経済農政局農政部農地活用推進課)
農地の売買価格、賃借料が安いこと、また、農地所有者は先祖代々の土地という意識も強いことから、新規就農者や参入法人など、農地を人手にゆだねることへの抵抗感があることなどが挙げられます。
一方、新規就農者等の担い手は、農地が分散している、担い手から見て望ましい農地が出てこないことなどが挙げられることから、農業生産の効率化・合理化につながる経営規模拡大や面的集積を促進していく必要があると認識しています。
今後とも、「貸したい、売りたい」といった意向のある農地について、農地の情報を収集・管理している「農地銀行事業」を活用し、農地所有者から新規就農者等への貸借農地の紹介を行うとともに、地域での調整役となる農業委員・農地利用最適化推進委員による貸し手・借り手のマッチングの推進により、農地の集積・集約化を促進して参ります。
農地を人手にゆだねることへの抵抗感には、実績や計画などを丁寧に説明し、新規就農者や参入法人など、意欲ある担い手が千葉市から出ていかないよう、農業委員・農地利用適正化推進委員のこれからの活躍に期待したいと思います。
また、千葉市農業基本計画では、農地を集約して守るための取り組みとして、人・農地プラン「地域計画」の策定を進めることを位置付けていると伺っております。
農家が安心して農地をゆだねられるリーダーを育てること、法人化へのサポートなどしっかりと取り組みをお願いします。
神谷市長も以前、マニフェストに関する取組についての記者発表で、障害者等が農業分野で活躍することを通じて、自信や生きがいを持って社会参画が実現できるよう、意欲ある農業者や社会福祉法人等に対して農福連携に向けた支援を行うと発表されております。
また、以前の同僚議員の一般質問に対して、農福連携に対する本市の認識として、障害者等の立場から見ると、農業分野で活躍することを通じて、就労や生きがいづくりの場を生み出しており、農業分野から見ると、担い手不足や高齢化が進む中での新たな働き手の確保につながることが期待されており、ともに意義あるものと考えていると答弁されています。
そこで伺います。
質問2-4
千葉市における農福連携の取り組み状況について、件数含めお示しください。
答弁
(保健福祉局高齢障害部障害者自立支援課)
本市も運営に参画している千葉県障害者就労事業振興センターにおける農作業等の共同受注において、令和4年度は、1件受注があり、市内3つの事業所を農家とマッチングしました。
また、一部の障害福祉サービス事業所等では、農家と連携した農作業や、事業所内での農作物の栽培を行っております。
農作業の件数は工賃向上計画から把握されているため、目指すべき農福連携なのか、詳細な内容を確認できないことから、今回件数はご答弁いただけませんでした。
以前の一般質問の際には、件数の把握もしていなかったことからは一歩前進ではありますが、農福連携に向けた支援を行っているとは思えません。
基本計画では障害のある方への理解促進と社会参加の促進のなかで、障害者が自立して暮らすためだけでなく、達成感や生きがいが得られるよう、企業と障害者のマッチングによる雇用促進を図るとともに、農業体験を通じた農福連携の推進など、多様な就業機会の確保に取り組むとしています。
質問2-5
農福連携についての今後の取り組みについて伺います。
答弁
(保健福祉局高齢障害部障害者自立支援課)
(経済農政局農政部農政課)
引き続き、千葉県障害者就労事業振興センターの運営に参画し、農作業を希望する障害福祉サービス事業所等と農家のマッチングを行うとともに、事業所等に専門家を派遣し、技術指導や相談などの支援を行う農業支援事業「農サポ」や、農業と福祉の連携により生産された農産品の販路拡大のための「ちば農福連携マルシェ」などを行って参ります。
また、今後、農家や関係機関が集まるセミナー等に参加し、農福連携事業について直接説明する機会を設け、農家等のニーズも把握しながら、農家と事業所等のマッチングが進むよう取り組んで参ります。
千葉市は農福連携を推進するために、具体事例を研究していないことが問題です。
農家に全国的な農福連携の取り組みの好事例を伝え、障がい者の特性に理解を深める取り組みが必要です。
また、千葉県障害者就労事業振興センターは千葉市も負担金を出して運営している団体ですが、残念ながら農福連携に関して積極的に役割を果たしているかは疑問です。
令和4年度に実施された「農山漁村振興交付金(農福連携対策)」の事業について、取り組み実施状況、成果等を総合的に評価されましたが、関東農政局管内の16の事業実施主体のうち、A優良が10、B良好が2、C低調が1、評価対象外が3となっています。
唯一のC評価が残念ながら千葉県障害者就労事業振興センターです。
重点的な指導、助言等が行われた旨が書かれておりました。
千葉市は千葉県委託先のこの事業者に頼るのみではなく、詳細に各事業所の状況を知り、農福連携として福祉施設が農家に障がい者を派遣するタイプ、福祉施設が農業を行うタイプ、がありますが、それぞれのメリットデメリット、課題について積極的に把握していく必要があります。
農福連携に関する認知度向上、周知啓発は千葉市の役割と考えます。県にお任せではなく、自分事としてとらえた対応を要望します。
農林水産省は2021年5月にみどりの食料システム戦略を策定し、有機農業の取り組み面積の割合を耕地面積の25%に拡大することを目指すとしています。
質問2-6
これまでの取り組み状況について伺います
答弁
(経済農政局農政部農業生産振興課)
本市ではこれまで、環境負荷軽減に配慮した持続可能な農業の推進のため、土壌にすき込む「緑肥作物」の栽培や、生産過程で発生する農業用廃プラスチックの回収、処理に対する支援を行っています。
また、農業者の皆様に土壌診断を無料で実施し、施肥設計の作成支援を行うことで、健全な土づくりや化学肥料の使用量低減を促しています。
この他、本年6月には有機農業についての理解を促進するため、新たに「有機農業勉強会」を農政センターで開催し、市内の有機農業者、有機農業に関心のある市内農業者、農業関連企業や関係機関など、30者の参加がありました。
勉強会では、みどり認定制度や、有機栽培の土壌管理についての講演や、市内の有機農業者による優良事例発表を実施し、活発な質疑応答や、終了後の農業者同士の情報交換なども行われたところです。
市内事業者においても有機農業に対する関心が高まっていることがわかりました。
質問2-7
環境に配慮した農業の推進に向けた今後の支援策について伺います。
答弁
(経済農政局農政部農業生産振興課)
今後の支援策として、技術的な支援を充実させるため、本年度、農政センターにパイプハウスを整備し、本市で稼ぐ有機農業を実践する農業者をモデルとするコマツナの有機栽培の実証を行い、市内農業者が新たに有機農業に取り組む際の営農指導に結び付けられるよう、農業技師の有機農業に対する知見や技術の習得に取り組むこととしております。
また、「未来の千葉市農業創造事業」により、すでに有機農業に取り組んでいる農業者で、規模拡大の意向がある方に対して施設整備の助成を行うなど、意欲ある有機農業者の経営発展を支えられるよう取り組んで参ります。
ソーラーシェアリングとは農地に支柱を立てて、その上部に設置した太陽光パネルを使って日射量を調節し、太陽光を農業生産と発電とで共有する取り組みを言います。営農を続けながら農地の上部空間を有効活用することにより、電気を得ることができるので、農業経営をサポートするというメリットがあります。
更に、増加する荒廃農地の再利用という観点からも期待されています。
地球温暖化対策や農家や、災害時には地域に必要な電力確保にもなることからこれまでも持続可能な農業の一つの手段として、ソーラーシェアリングについての質問を行ってきました。 平成30年6月に改訂された再生可能エネルギー等導入計画には新たに「営農型太陽光発電の推進」が位置付けられ、営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)に関するセミナー等を通じた普及啓発等の実施やビジネスマッチング事業の活用、事業化に向けたモデルプランの作成等により、ソーラーシェアリングの導入を促進します。とされています。
一方で、農家には推進に対して不信感があり、その解消が必要です。
質問2-8
営農型太陽光発電の現状と今後の推進について伺います
答弁
(経済農政局農政部農業生産振興課)
営農型太陽光発電については、太陽光パネル下において効率的に農業生産を行うことが重要であることから、収量や品質の確保が可能な品目やその生産技術について、情報の蓄積や発信が必要と考えています。
現在、市内で営農型太陽光発電に係る技術に実績がある企業や農業者、大学とともに、水田における営農型太陽光発電による持続可能な農業経営モデルの検討を行っております。
また、今後農政センター内のほ場を活用した営農型太陽光発電設備の設置、栽培実証の実施についても、検討することとしております。
地球温暖化により気候変動が止まらない現在、ますます農業とエネルギーは大切な産業として位置付ける必要があります。事業として持続可能であることはもちろん、地球に対して持続可能な農業、環境保全型農業の推進を求めます。
新庁舎移転に合わせ、総合防災情報システムが稼働しております。
2019年の大型台風による被災時には避難所である公民館からシステム入力できなかったと伺い、問題提起をしてきました。公民館が直営から指定管理となった際にチェインズが撤去され、本部への避難者の状況報告をFAXで行っていたそうです。
そこで伺います。
質問3-1
小中学校、公民館等での総合防災情報システムの運用について現状と課題を伺います。
答弁
(総務局危機管理部防災対策課)
総合防災情報システムは、インターネット経由で操作できるため、市立学校と公民館にあるインターネットに接続可能なパソコンを使用して、避難所の状況や要望事項などを報告することとしています。
避難所担当職員は、普段使っていないパソコンを立ち上げ、システム操作を確実に行う必要があるため、訓練や研修により習熟を図って参ります。
最近ようやく公民館での入力が可能であることが確認できたばかりと聞きます。
確実に周知と研修をお願いいたします。
災害状況の情報入力端末がある場合には、総合防災情報システムへの連携ができることが理解出来ました。
しかし、県立高校や一部のコミュニティセンターなど、市のシステムが導入されていない避難所があると認識しております。
質問3-2
総合防災情報システムへの入力作業が現在できない指定避難所について、今後の情報共有の手法や方針について市の考えを伺います。
答弁
(総務局危機管理部防災対策課)
避難所担当職員が使用するパソコン等が確保できない避難所につきましては、当初は、FAXや地域防災無線などにより、区本部へ情報を伝え、区本部が、総合防災情報システムに入力することとしております。
その後、できる限り早急に、インターネットに接続できるパソコンやタブレット端末などを配備いたします。
直近職員による情報入力方法として、今後どのように対応していくのか、課題だと考えます。
システムに繋がれば、どこに居ても入力可能となる時代ですので、個人でスマホやタブレットを持ち歩く時代において、各避難所にパソコン、タブレット端末を配備することが本当に必要なのか、費用対効果も検討の上進めていただければと考えます。
機器は常に新しいものに変わっていきます。ハード面をそろえることがすべてではないのではないでしょうか。
避難所情報はもちろん、地域において様々な災害、被害者の発生状況を把握することが重要です。救助、復旧等の対策を行うためには、的確かつ迅速に本部へ報告されることが重要です。
質問3-3
SNS からの情報収集について現状と今後の把握方法について伺います
答弁
(総務局危機管理部危機管理課)
(総務局危機管理部防災対策課)
本市では、SNS上に投稿された災害情報等をAIが集約・判断して表示するシステムを活用し、本市で発生した災害情報等の収集に努めております。
また、本年4月から、総合防災情報システムに当該システムからの情報を取り込み、被害情報や気象情報などと重ねて地図上に表示できるように改善を図っております。
今後は、デマなど真偽不明な情報の取扱いや、SNSへ投稿される回数など社会的影響にも配慮し、より迅速かつ正確な情報の把握とその有効な活用手段について検討して参ります。
本部情報を逐一各避難所でも受け取り、それを市民の皆様に共有していくことも重要。
小学校にあるモニターや公民館、コミュニティセンターにあるデジタルサイネージなどを活用した有効な情報公開の在り方についてはさらに検討が必要と考えます。
災害時には千葉市防災ポータルサイトを常に表示できるようにするなどご検討ください。
実施内容について項目分けして訓練状況を把握しており、ホームページ上にも避難所運営委員会活動状況の詳細が公表されております。
こちらの【スライド9】は 昨年度の実施訓練内容です。
質問3-4
昨年度の防災訓練の実施状況について評価と今後の課題について伺います。
答弁
(総務局危機管理部防災対策課)
昨年度の避難所運営委員会活動状況調査では、回答のあった団体のうち約82%が避難所開設・運営訓練を実施したと回答しており、令和3年度に比べて21ポイント、令和2年度に比べて14ポイント上昇しており、活動がコロナ禍前の令和元年の水準まで戻っているものと考えます。
また、実施した訓練内容としては、避難所の立ち上げ、資機材の組み立て、マンホールトイレの組み立てが多く報告された一方で、ペット受入れや、要支援者避難誘導を行った避難所は少数でありました。 今後は、さらなる活性化を図るとともに、訓練内容が充実するよう、必要な支援等を行って参ります。
避難所運営委員会活動状況調査アンケートでは82%が訓練実施とのご答弁でしたが、【スライド10】の通り、報告がない委員会も入れると半数弱は活動が行えていないのではないでしょうか。
公民館はこれまでの災害時にも避難所設置機会が多くなっています。
特に公民館については避難所立ち上げ訓練の100%実施に向けてサポートいただくよう要望します。
また、すべての避難所で訓練を行っていないため、自分の地元の避難所が訓練していない場合、参加する機会を失っている市民がいます。
防災意識や知識の向上のためには、市民が訓練に参加したい場合に参加できるよう、公民館のイベント案内などに周知して、他の地域からも参加できるようにはできないでしょうか。
昨年度、稲毛区で行われた防災公開講座「集合住宅におけるトイレの災害対応」を受講いたしました。
被災時のトイレの重要性について改めて私自身も認識をする機会となりました。
水・食糧よりも先に必要になるトイレの実態について周知啓発が必要です。
まずは訓練について、実際に避難所でマンホールトイレを稼働できるのか少々不安です。
質問3-5
昨年度マンホールトイレを活用した訓練はどれくらい、どのような内容で行いましたか?
答弁
(総務局危機管理部防災対策課)
令和4年度の活動状況調査では、避難所運営員会が、マンホールトイレの訓練を行った避難所は52箇所で、トイレの組み立てやホースの配置の確認のほか、プールの水を汲み上げるポンプの操作や、水を流す頻度の確認など、実際に水を流す訓練を行った避難所もあります。
訓練の機会がない市民も目にする機会を増やすため、マンホールトイレや簡易式トイレなどの展示や実演を9月の防災月間に、公民館等と連携して行うことはできないでしょうか。
災害時のトイレを自分事としてとらえ、自宅で使える携帯トイレの備蓄をうながす展示内容が必要と考えます。
避難所運営委員会の資料には 突如として発生する災害に対し、避難所を開設し、先ずは発災直後から3日間・72時 間の混乱期においては、住民自らが、生き残るための最低限のことを、自分達で最優先に 行っていく必要があります。とあります。
質問3-6
携帯トイレは現状の配備数で足りていますか?
答弁
(総務局危機管理部防災対策課)
本市では、携帯トイレやマンホールトイレなどを組み合わせて、避難者50人当たり1基のトイレを確保することを目標としており、今年度のマンホールトイレ整備が完了することで、目標を達成いたします。
マンホールトイレの整備が進んでいることは安心です。
ただ、マンホールトイレのない公民館やコミュニティセンターもあります。
トイレの破損等で携帯トイレのみで過ごすとした場合、現在小規模の公民館だと400個の配備で、収容人数の1回分しかありません。
備蓄必要量は3日間と考えると、1人1日5回分とすると、20~30人の分しか用意がないこととなり避難所運営委員会からは初動時の混乱を考えると足りないとの声があります。
災害時に不足した場合の対応は、近隣の避難所や区役所からの配送で補充していくと伺っておりますが、地域の方に伝わっておらず、不足時の対応についても周知が必要と考えます。
こちらの【スライド11】は拠点的避難所の指定数の推移です。
協定締結を行い、確保はすすんできたと認識します。
問題は実際に避難する手順を高齢・障害者施設側が被災時に対応できるかです。
質問3-7
拠点的福祉避難所における、要配慮者の受入や開設訓練等について伺います。
答弁
(保健福祉局高齢障害部高齢福祉課)
(保健福祉局高齢障害部障害者自立支援課)
拠点的福祉避難所の開設訓練については、植草学園短期大学の協力のもと、障害者団体などにも参加を呼びかけて実施するなど、平成28年以降6回実施しました。
訓練では、要配慮者の受け入れに関し、指定避難所や災害対策本部との連絡調整、実際に受け入れる要配慮者の情報の伝達、物資が不足する場合の対応などについて、その手順や役割分担を確認しました。
引き続き、こうした訓練を実施していくとともに、訓練によって得られた課題や改善点を、「避難所等における要配慮者支援マニュアル」等に反映して参ります。
以前質問した際にはまさに植草学園で実施したとのご答弁をいただき、その経験値を各福祉避難所が行えるような情報提供を要望しております。
要配慮者受け入れのシュミレーションが各福祉施設においてなされるよう、今後の要配慮者の受け入れ訓練時には、協定を結んでいる施設スタッフが多数参加できるよう周知啓発が必要です。
また、訓練の結果をマニュアルに反映することはもちろんですが、そのマニュアルを各避難所は常にアップデートしてお持ちでしょうか。
今後は公的な拠点的福祉避難所だけでなく、協定を結んだ高齢・障害福祉事業所での訓練も視野に入れ、対象施設へマニュアル整備状況も確認が必要かと考えます。
質問3-8
施設一覧の公表についての考え方を伺います。
答弁
(保健福祉局高齢障害部高齢福祉課)
(保健福祉局高齢障害部障害者自立支援課)
拠点的福祉避難所は、指定避難所での避難生活が困難な方を支援するために、予め協定を締結した高齢・障害福祉関係施設に開設するものですが、災害発生時には、これらの施設も被災したり、従事者が出勤できなくなる等により開設が困難となる可能性があることから、災害時要配慮者の方も原則として、いったん指定避難所に避難していただくこととしております。
拠点的福祉避難所の名称、場所などについては、災害発生時に受け入れが困難な施設に直接避難してしまうなどの混乱が想定されるため、公表しておりません。
現状では、災害時要配慮者も原則いったん指定避難所へ避難を行うことは理解いたしました。
この後の質問にも関係してきますが、個別避難計画の策定の中で、直接避難の考え方は整理が必要と考えます。
次に、これまでも妊産婦の避難における配慮を求め、妊婦避難のできる病院看護学校等への協力を含め、充実を求めてきました。
要配慮までは至らなくても、配慮は必要な状況です。
質問3-9
妊婦の避難場所の確保について、千葉市の考えを伺います。
答弁
(総務局危機管理部防災対策課)
本市では、避難者のうち、専門性の高いサービスは必要としないものの、指定避難所等での避難生活に困難が生じる方のために、簡易エアーマットや大人用の紙おむつの配備など、特別の配慮をした「福祉避難室」を指定避難所内に必要に応じて開設することとしております。
また、学校施設では、教室等を積極的に活用し、配慮が必要な方のために、専用の部屋を確保することについて、避難所開設運営マニュアルに明記し、妊婦の方を含む要配慮者の避難スペース確保に努めております。
実際に被災した地域においては長期化する避難時にはやはり妊産婦専用、親子専用の避難所が立ち上がるケースを見てきました。
避難行動要支援者が30000人程度いる中、拠点的福祉避難所の協定締結はすでに160件に届きそうです。
妊婦は6000人程度いると考えると、妊産婦避難所の設置を想定した協定締結に向けて準備は必要ではないでしょうか。
避難行動要支援者名簿の掲載数と、地域への提供数についてこちらの【スライド12】をご覧ください。
約3万人の名簿掲載者に対して地域に提供されているのは約1万人分。36.7%となっています。
これに対して現在、千葉市は個別避難計画を作成している最中ですが、せっかくあるこの名簿を活用せずに、要支援者の名簿を独自で情報収集して支え合いカードなどを作っている自治会があります。
質問3-10
避難行動要支援者名簿を提供する仕組みが進まず、一部の自治会がオリジナルで要支援者に対する仕組みを構築していることに関しての見解を伺います。
答弁
(総務局危機管理部防災対策課)
災害時における要支援者の支援は、平時から地域の中で支え合う体制が重要と考えており、平時の活動の中で地域内の要支援者の状況を把握するなど避難行動要支援者名簿の提供を受けず、独自の仕組みで活動していただくことは、大変素晴らしい取組みであると捉えております。
一方で、それだけでは、すべての要支援者を把握できない場合も想定されますので、避難行動要支援者名簿も活用していただき支援体制を構築してもらえるよう、引き続き、周知啓発を行って参ります。
個人情報の管理に関しては一定の取り決めがあることは理解しますが、研修が負担になっていることや受けとった名簿の具体的な活用方法が浸透しておらず、避難訓練時に使用できていないという話も聞きます。
活用方法についての的確な周知、好事例のシェアなど不足していると考えます。
質問3-11
個別避難計画は災害対策基本法に基づき、自治体が作成をする努力義務がありますが、進捗状況について現状と課題について伺います。
答弁
(総務局危機管理部防災対策課)
個別避難計画作成事業は、令和3年度に開始して、令和4年度末までに、土砂災害警戒区域にお住まいの方や、電源が必要な医療機器を使用する方など、2年間で97件の計画を作成しました。
本年度は、昨年度までの対象者の選定要件に、重度心身障害児や、浸水想定が2メートル以上の地域にお住まいの方などの要件を新たに加え、200件の計画作成を目標としています。
現在は、作成業務を委託する民間事業者と、対象者の選定を終えたところであり、対象者の同意を得たうえで、作成作業を進めて参ります。
今後は、市が作成するべき対象者の基準を早急に検討することや、計画に基づく訓練の実施、訓練の結果を踏まえた計画の更新などが課題であると考えております。
ここで先ほどもお伝えしたように、個別避難計画が絵にかいたもちにならないのか?という視点が必要です。
指定避難所に原則として避難することが要支援者に対しても行われる前提となっています。
例えば医療的ケア児者のように命を電源や酸素に頼っているケースでもです。
個別避難計画を作成することによりそのあたりの矛盾が起きていることは現場では明らかなのではないでしょうか。
支援の度合いが高い方から作成しているわけですから、協定を結んでいる拠点的福祉避難所への直接避難についても今後整理が必要だと考えます。
さらに
質問3-12
市の作成できる個別避難計画には限りがあり、市の作成を待っていては、今後しばらく作成されない要支援者が多く居ることとなります。
自分で作成する、自治会が作成するなど、市の作成を待つのではなく自助・共助で取り組むことも必要と考えますが、見解を伺います。
答弁
(総務局危機管理部防災対策課)
避難行動要支援者名簿に掲載する約3万人の方々すべてを作成することは困難であるため、現在は、災害による危険が想定される地域にお住まいの方など、市が作成すべき対象者の基準について検討しているところです。
市が個別避難計画を作成する方を含め、要支援者の安全を確保するためには、自助・共助の取組みが必要となりますので、引き続き、避難行動要支援者名簿を活用した支援体制構築を促進するほか、家庭での備えを強化していただくことなどの周知・啓発を図って参ります 。
Web上でどのような個別避難計画を作成しているかは公開が始められたばかりと伺いました。
要支援者の世帯において、自分たちで作成するのであれば、個別避難計画のフォームで検討をすすめることが、次につながると思いますので周知をお願いします。
また、実際に個別避難計画を作成している事業者の話では、昨年度作成した対象者は障害の方が多かったそうですが、すでにある程度の避難計画をお持ちで、個別計画作成に当たってはそれほど煩雑な作業はないとのこと。
個別支援計画のフォーマットに合わせて作成しなおす作業となるようです。
つまり、ある程度体制ができれば、一気に作成が進む期待もあります。
ただ、それ以前の問題として、同意が取れない理由が、本人が断るというのではなく、その方を担当している福祉事業所がNOを出すとその事業所を利用している当事者が内容を理解せずに不同意者として報告される現状があるとのこと。
これでは最終的にすべての人を助けるための計画策定を目標にすることは無理ではないでしょうか。
3万人分を作るのが時間的、物理的に無理なのではなく、事前の同意を取る手段に問題があると感じます。 個別避難計画を作成する民間事業者は通常利用している福祉事業所ではないため、個人情報をどの範囲で活用するのか不安があり、断られるケースが半数もあると聞いています。
同意を取るための手段には対策が必要と考えます。
質問3-13
命に関わる医療的ケア児など電源が必要な世帯へはタイムリーな情報提供が必要です。
電源マップの作成と公開についての見解を含め、現状と課題について伺います。
答弁
(総務局危機管理部防災対策課)
停電が命の危険につながる要支援者にとって、電源確保は、不可欠なものであり、停電時に、どこで電源の供給をうけられるのか、地図上で確認できることは、重要な事と考えております。
停電時に提供可能な電源につきましては、庁内の様々な部署で事業をすすめておりますので、まずは、庁内にある情報を集約し、関係部署で共有するためのマップを作成することとしております。
併せて、電力量や他の使用用途などを踏まえたうえで、情報公開の時期・方法・条件などを整理し、情報提供の手法を検討して参ります。
前向きなご答弁ありがとうございます。
ぜひ最適な手法で電源MAPの公開に向けて取り組みをお願いします。
災害は防ぐのではなく、起こるものとして備えることが大事です。
啓発に関する事業として
質問3-13
防災アドバイザーの育成の取り組みについて目的と内容、成果について伺います。
答弁
(総務局危機管理部防災対策課)
地域の防災活動を行う自主防災組織等に対し、本市が必要と考える防災に関する知識・技術・経験等を持ち、指導や助言をする防災アドバイザーを育成するため、防災ライセンス・スキルアップ講座を開催しております。
令和3年度までの講座では、地域の中での具体的な活動方法が分からないとの意見を頂くなど、課題もあったことから、令和4年度は、避難所運営ゲームの進行役を育成する講座と、マンホールトイレの使用方法等を習得する講座を開催し、より具体的な知識等を学べる講座といたしました。
さらに、今年度は、同講座を継続して開催して新たな人材育成を図るとともに、昨年度の修了者に講師のサポート役として参加していただき、スキルアップを図ったところであります。
今後も、講座内容の充実を図るとともに、アドバイザーの活躍の場を作り、自らが地域の指導・助言を行える人材の育成を進めて参ります。
積極的に各自治会などで活躍の機会を作ることが重要と考えます。
地域づくり支援課に相談あれば紹介するという受け身ではなく、積極的に働きかけることを求めます。
私自身、子どもたちを守るために防災ママカフェとしてママたちに向けた啓発活動を地域で継続的に行ってきました。
すべての人が命を失わないように様々な施策に取り組んでいることは理解しておりますが、私自身は特に子どもたちのいのちを奪われたくありません。
質問3-14
備災についての意識啓発において、学校や子ども、保護者に行う活動の効果について市の考えを伺います。
答弁
(総務局危機管理部防災対策課)
災害を想定し、食料等の備蓄や、家具転倒防止策、情報入手手段の確保など、備えをしていただく、いわゆる「備災」については、命を守るための重要な考え方と捉えております。
このことを子どもたちに伝えることは、その家族全体の避難行動につなげられる効果が期待できるため、日ごろの様々な啓発活動に加え、防災教育についても重要であると考えております。
今後も、こども未来局や教育委員会などと連携しながら、防災意識の啓発に努めて参ります。
2021年に教職員を対象として行った民間団体がおこなったweb調査では7割を超える教員が「学校管理下で災害が発生した場合、生徒児童全員を守る自信がない」と回答されているそうです。
自由回答には、災害に関する知識も経験もない自分が子どもの命を丸腰で預かる不安や硬直化した学校組織、形骸化した防災マニュアルとおざなりな防災訓練、変えなくちゃいけないと思いつつ何をどうしたらいいかわからない、知識がない、仲間がいない…など、現場のつらい状況、嘆きなどがつづられていたそうです。
東北大震災の時から変わっていないということです。
子どもたちへの防災教育に加え、先生方の備災に対する考え方もアップデートしていく必要があります。
現在千葉市では教職員の初任者研修で学校防災アップデート大作戦としてコンテンツを作っている団体講師から研修をしていると聞いています。
しかし、新任の先生だけが情報を持っていても、学校組織の中で生かせるのか懸念します。
年代関係なく幅広く講座の受講が必要ではないでしょうか。今後の更なる拡充に期待します。
福岡市ではママたちが防災について学び、それを次の世代に繋いでいく取り組みを行っています。
認定団体として防災について学んだママたちが講師登録をする制度があるそうです。乳幼児パパママ向けの冊子を作り、普及啓発に取り組んでいます。
女性や子育て家庭に役に立つ内容となっており、漫画などを盛り込み読みたいと思わせる内容となっています。
具体的には、女性被災者に聞いた「あってよかった!」「すぐに役立つ!」防災グッズ12選、身近なモノでカンタン! 災害時のお助けアイデア、女性のための災害時の防犯対策など多岐にわたります。
全国的にこのような女性視点での防災ブックの作成やスマホで表示できるような取り組みが進んでいます。奈良県、岡山市、葛飾区など各地で作成されていました。
千葉市でもホームページ上には「妊産婦・乳幼児のための災害への備え」として情報は掲載されておりましたが、やはり読んでいただければわかりますがこれをわざわざ読みに来る対象者はあまり想像できませんでした。女性の視点で作る冊子の作成も検討してはいかがでしょうか。
また、避難訓練には参加しない、参加できない若いパパママたちも巻き込むために、防災を自治会活動として広めるだけでなく、「防災ママカフェ」やワークショップ、「あそぼうさい」のような子どもを巻き込んだ参加形式や気を引くネーミングで行う取り組みなどが有効です。