今後の介護のあり方について1

 

前回に引き続き介護の質問となります。皆さんも、家族が介護を受ける、介護をすることになるケースが身近にあるかと思いますが、私にとっては昨年の夏の父の救急搬送で、初めてのことが突然にやってきた、そんな感じでした。

 

これまで地域包括ケアやあんしんケアセンター、在宅医療介護の連携などの質問をしてきましたし、「死」を自分事として、皆が考えていく必要性を感じ、私たち世代が自分のエンディングノートを書いてみる機会をつくるための連続講座を主催してきました。

 

介護職の知り合いもいるから大丈夫と漠然と思っていましたが、自分事となると、自分の介護に対する考え方と地域の実態はどうなのか、わからないことがたくさんあることに気づき、より深く考えるようになりました。

 

私を含め、だれもに終わりがあります。全ての人がいつ病気で倒れるかわかりません。死が迫った時の為に、むしろ死を感じる前から目指すべき介護について考えることが必要だと改めて思い、質問を行います。

 

私自身がどんな介護を受けたいかと考えた時に、たとえ要介護となっても流れ作業のように、レク、食事、排せつ、入浴とタイムスケジュールの決まっている介護ではなく、日常生活で出来ないところを手伝ってもらいたいという認識でいます。自分らしく暮らしたいとみな思っていることと思います。

スライド1
スライド1

<スライド①>は千葉市内の入所可能な施設と人数の現状で、多様な施設がありますが 自分らしく過ごせる施設はどこか、どのようなライフプランを立てることが可能かを本人、介護者が知ることができているでしょうか。

 

現在、介護施設の中では、管理より自立した生活を支援することが求められ、本人の意思決定支援がなされているか、家族の意向を確認しながら施設サービス計画が策定されているかを行政は確認していると伺いました。

とはいえ、介護事業に携わる方からは、やはり安全第一で、本人のやりたいことが制限される介護生活になっていると聞きます。

 

カラダが動かない、認知症状があるとしても、何かしら人のためになりたい、外食や旅行をしたい、栄養は口から摂りたい、子どもやペットと過ごしたい、など みなが思い描く介護がうけられるか、そもそも思い描けているのかという視点で質問を行います。

 昨年度、前計画より6年ぶりに千葉市一般廃棄物(ごみ)処理基本計画を策定しました。

 これまでの私の一般質問では、プラスチックごみの削減について、マイボトル利用促進、容器のリユースなどを意見要望し、海洋マイクロプラスチックの調査を進めることを希望しましたが、

質問1-1

高齢者施設と保育施設の合築や併設など、また日常的に子どもや動物と交流を推進する施設は、千葉市にはあるお示しください。

答弁 

(保健福祉局高齢障害部介護保険事業課)

高齢者施設と保育施設の併設は、平成30年4月に開設した、特別養護老人ホームとどろき一倫荘などの整備事例がいくつかあります。

このような施設では、新型コロナウイルス感染症予防のため、実施を見合わせているところもありますが、お祭りなど施設の催しの機会に園児が施設を訪問したり、歌を披露したりなど、交流を図っていると伺っております。

なお、動物と触れ合うことが可能な施設については把握しておりません。

子どもとの交流はいくつかあるとのことですが、日常的ではないようです。

事前に調べておかなくてはその施設を選ぶことはできないかもしれません。

特にペットと触れ合いは、施設では難しく、在宅でもペットの世話は介護保険での日常生活支援ではみられないため、経済的にゆとりがなければ叶わない状況です。

 

先日、八千代市にある『52間の縁側』という地域に開かれた介護施設を運営されているいしいさん家(ち)を見学させていただきました。

現在はデイケアとして開設、様々な地域のイベントも行われ、共生カフェが間もなくオープンと聞いています。

地域住民や利用者が隔てなく高齢者・子どもと接し、認知症・若年性認知症・高次脳機能障害などへの理解度・印象の変化を検証すると共に、子どもの居場所・多世代共助ができる複合施設を目指していると伺っています。

 

介護する側の論理ではなく、利用者の「普通の生活」を重視する経営者の石井さんは、介護業界でも有名人ですが、年齢、性別、障害、関係なく、利用者、スタッフそれぞれの、人を見ることを大切に施設を運営されています。

障害がある人が得意なことを活かして勤務していたり、子どもや動物が居ることは歓迎すべきこととして、子連れで訪問することが歓迎されます。

ボランティアの親子やスタッフも子連れで勤務することが可能。多様な働き方を受け入れることで、介護離職防止になり、働くママの応援にもなる、常にウィンウィンを考えているそうです。

 

「死」や「老い」が日常から遠ざかっていることに問題意識を持ち、混ざり合う環境を大切にしていて、介護する/される人という役割を明確にするのではなく、地域の方にもボランティアとしてかかわってもらいたいと、施設は地域に開いて開放的に運営しています。私はこんな施設なら毎日通いたいと思う事業所です。

 

千葉市でも、

質問1-2

子どもやペットを施設で受け入れて運営をする「宅老所いしいさんち」のような介護事業所はありますか?

また、このような介護事業所の在り方についてはどのように考えますか?

答弁 

(保健福祉局高齢障害部介護保険事業課)

市内の「いしいさん家(ち)」は、介護保険法上、地域密着型通所介護事業所に位置付けられておりましたが、建物の老朽化を理由に昨年9月末で廃止しており、現在同様のサービスを行っている事業所については把握しておりません。

子どもやペットなどと利用者が触れ合うことは、利用者本人の心身に良い影響があるものと思われますが、多くの方が利用する介護事業所では、事故防止や、利用者からの同意、子どもやペットの世話など、課題があると認識しております。

質問1-3

障がい者が高齢になった際に継続した支援を受けられるようにと法改正がされました。

千葉市の共生型サービスの現状について伺います。

答弁 

(保健福祉局高齢障害部介護保険事業課)

(保健福祉局高齢障害部障害福祉サービス課)

令和6年1月末時点で共生型障害福祉サービスの指定を受けている介護保険事業所が6事業所あり、近年大きな増加はみられない状況です。

なお、障害福祉サービス事業所に対しては、共生型サービスの仕組みについて、毎年度実施している事業者説明会等で周知するとともに、国の作成したパンフレットを配布しています。

質問1-4

今後拡充する必要性についての認識はありますか?

拡充が進まない理由についての 千葉市の考えと今後について伺います。

答弁 

(保健福祉局高齢障害部介護保険事業課)

(保健福祉局高齢障害部障害福祉サービス課)

共生型サービスについては、事業所の職員が、高齢者と障害者の双方に関わることで、介護技術や専門性の向上につながるなどのメリットがあることから拡充の必要性については認識しております。

拡充が進まないのは、障害者と高齢者の両方に対応できる人材の確保が難しいことなどが要因であると考えられる他、国の調査においては、事業所から、共生型サービスのメリットや手続きが良くわからないとの声もあがっております。

このことから、国のパンフレット等を活用し、障害福祉サービス事業所への周知を継続するとともに、介護保険事業所へも事業者説明会等の機会を通じ、事業の仕組みや参入の手続等を丁寧に説明し、参入を促して参ります。

市内で共生型を運営している方からは経営者の覚悟、勉強することで受け入れができるとききました。

障がい者施設の日中支援が不足している状況から、高齢者施設で若い障がい者が高齢の親と共に過ごすことができるメリットもあるとのこと。

共生型への移行は介護事業者にとっても検討を進めていく大事な視点であると考えますので、情報提供を適切に進めていただきたいと思います。

 

地域密着型サービスについて

 次に施設と在宅の垣根を超えたその人らしく地域で生きられる施設として期待されている

 地域密着型サービスについて 伺います。

本市の整備目標として、小規模多機能型居宅介護・看護は全てのあんしんケアセンター圏域に1か所以上を、定期巡回・随時対応型訪問介護看護は各区に複数の事業所を整備することを掲げています。

質問1-5

この目標に対する現在の整備状況、また整備を進めるうえで課題認識等があればお示しください。

答弁 

(保健福祉局高齢障害部介護保険事業課)

小規模多機能型の介護事業所は、28圏域中、目標達成は20圏域、計34か所、定期巡回・随時対応型サービスは、6区中、目標達成は2区、計9か所整備しております。

近年、土地確保やサービスを行う上での人員配置の難しさなどから事業者の参入が進んでいないことが課題と認識しております。

 要 望
 在宅医療が増えていく中で、日中ケア、ショートステイから最期の看取りまでできる地域密着した施設は今後益々必要とされる施設です。
補助金の出し方などしっかり検討して、必要な施設数の確保に努めるよう要望します。

総合事業は、「介護予防・日常生活支援総合事業」として定められ、市町村が中心となって、地域の実情に応じて、住民等の多様な主体が参画し、多様なサービスを充実することで、地域の支え合い体制づくりを推進し、要支援の方に対する支援等を行うことを目指すものです。

最近は要介護1,2の方を介護サービスではなく総合事業として地域でみることが国で検討され、議論となっておりました。

質問1-6

千葉市において、総合事業における地域支え合い型訪問支援・通所支援の通所型・訪問型サービスのそれぞれの登録状況と、近年の増減動向また今後の方向性についてお示しください。

答弁 

(保健福祉局高齢障害部高齢福祉課)

令和5年12月末時点で、訪問支援実施団体が6団体、通所支援実施団体9団体であり、5年前と比較して、それぞれ3団体ずつ増加しております。

住民が主体となって提供する支援活動は、「地域の高齢者を地域支えるまちづくり」に繋がるものであることから、引き続き、登録団体数が増加するよう市の支援内容などを周知して参ります。

総合サービスは当初地域の支え合いを充実させていくことを目的として位置付けられていましたが、要支援1,2を地域で支える必要から、訪問介護事業所のサービスの中で担われることが一般的となってしまっています。

有資格者でなくてもできる日常生活支援もヘルパーが担うケースも多く、方向性がこのままでよいのか議論が必要です。

地域の支え合いの充実強化のための具体的な目標が必要ではないでしょうか。

 

社会参加について

次に要介護状態になった後の社会参加について伺います。

介護が必要な高齢者が増加する中、岡山市では高齢者活躍推進事業として、要介護状態になっても、生きがいを持って暮らしていけるように、介護事業所でも就労・社会参加活動が可能となるような取組や啓発活動等を実施しています。

一般的な「働く」とは異なるこのスタイルを、カタカナで「ハタラク」と呼んでモデル事業として取り組んでいます。

 

健康な高齢者の方には、「シルバー人材センター」や「地域の集いの場」など、ボランティアや就労的な活動等、社会参加の場が用意されていますが、要介護状態となった高齢者は、こうした活動への参加が途端にできなくなります。

そのために、介護を受けることへのハードルが上がると感じます。

認知症の人は役割があったほうが悪化しないとわかっています。

 

しかし例えば小学校の旗振りの活動をしていた人が要支援となった場合に、その人にとっては、支援を受けながら旗振りに出ることがリハビリや重症化予防となるはずですが、日常生活支援として介護保険の活用はできないため、自費で人をつける保険外サービスを探すことになります。

利用者の「生活」を中心に据えた介護施設を応援できる仕組みが介護保険制度の範囲内でできるよう柔軟な解釈ができるとよいと思います。

 

社会参加活動は、高齢者の方の「生きがい」につながるものです。

要介護であっても、望む方にはその場が用意されることが望ましいと考えます。

質問1-7

介護事業の中で高齢者が役割をもつための取り組みについて千葉市の見解を伺います。

答弁 

(保健福祉局高齢障害部介護保険事業課)

デイサービス等を利用する要介護者が、社会参加活動を通じ地域との交流や役割・生きがいをもって生活することは、その方の心身機能の維持・向上のため、とても重要なことであると考えます。

本市においても、市内のデイサービス事業所より、サービスの中で駄菓子屋を利用者と一緒に行うことについて相談があり、現在実施に向けて検討中とのことです。

要介護者の社会参加を促すため、他都市の先進事例の取組みについて、研究して参ります。

岡山市では介護事業所に対して、研修会やワークショップ等を実施し、要介護者の方が就労・社会参加活動に取り組む意義を正しく理解してもらいながら、市内での事例を創設しています。

意欲の高いデイサービス事業所を選定し、モデル的に「ハタラク」を実施し、ホームページ上に「ハタラクガイド」として成果や課題など冊子にまとめられたものが掲載されています。

 

モデル事業の効果として、要介護や認知症になっても役割があることで元気に暮らせる事例が増えているそうです。

 要 望
  千葉市でも事業者が様々な「社会参加」を取り入れることを推進し、介護サービスを受けても生きがいをもって暮らし続けられる千葉市となるよう、今後、同様の取り組みを検討戴くよう要望いたします。

介護の質

次は介護の質について伺います。施設を囲うのではなく、出向いていき地域に関係性を創ることでリスクが低減すると先ほどの石井さんはおっしゃっていました。

介護施設の中で、自分らしく行動できるのか、日常生活に近い形で介護がされているか、流れ作業でなく尊厳を守るケアが施設の中でされているのかは、施設の考え方次第で決まると考えます。

 

監査のための書類整備や、何かあったらどうするのかばかりで施設運営のあら捜しをする監査の体制は問題という声も伺いました。

安全管理は重要ですが、安全を完璧にするための細かなルールばかりではなく、利用者のQOLが守られているのかが重要と考えます。

質問1-8

介護サービス事業所の質については千葉市では何で測っていますか?

答弁 

(保健福祉局高齢障害部介護保険事業課)

本市では事業所が遵守しなければならない最低基準について、運営指導しております。

また、特別養護老人ホーム等の施設に介護相談員を派遣し、利用者や家族から直接話を伺ったり、施設と意見交換を行うことで、サービスの質的向上を図っております。

グループホームでは、自ら質の評価を行い、定期的に外部評価も受けることが義務付けられており、その結果を市に提出するとともに、ホームページ等で公表し、質の改善を図ることとされております。

適切な管理の確認は必要ですが、細かい違反に注目するのではなく、やってもいいことは、どうしたらできるかを事業者とともに考え、認めていく姿勢を大切にして欲しいです。

 

介護のあり方についての最後の質問となります。

介護のあり方で重要なのは

「老いる」ことを考える

「老いる」ことを考えることだと考えます。 

 

老いること・医療介入や薬のメリットデメリットについて学ぶ機会が必要です。

人生の最後10年を幸せに過ごすために、医療介護とどう向き合うか考え、家族は「看取り」の知識を得て、最後まで自分らしく過ごしてもらうために、時には不要なケアを入れないという覚悟と心の準備をすることが重要です。

 

そこで、その準備がどの程度進んできたかを確認させてください。

「もしものとき」に備えて、大切にしていることや、どこで、どのような医療やケアを受けることを望んでいるかなど、自分の意向や希望について考え、家族や信頼している人たちと話し合い、共有する取り組みのことをアドバンス・ケア・プランニング(ACP)、通称「人生会議」と言います。

質問1-9

千葉市における「人生会議」の普及啓発の現状と課題について伺います。

答弁 

(保健福祉局健康福祉部在宅医療・介護連携支援センター)

国や県では、人生会議に関する動画などを作成し、ホームページで公開するなど普及啓発を図っております。  

本市では、人生の最終段階における医療やケアの選択肢を持てるよう、終活に関する講演会を開催しております。

しかしながら、健康なうちに人生の最終段階について話し合うことを避ける市民も多いなど、自ら主体的に話し合い、考えることは簡単ではなく、普及啓発における課題であると考えております。

在宅医療のトップランナーと言われる佐々木淳先生の講義を受けた際に強く感じたのは、自分らしく生きるために、医療やケアを選択できるということをまずは知ることが大事だということです。

人生会議だけを啓発していても判断材料が私たちにはないのです。

薬によってコントロールしていく医療や医療介入を望まないこともできるのです。

それを知らずに言われたままに介入を受けいれると、長く生きることだけが目的となって、より自分らしく居ることは後回しになる可能性があります。

 要 望
 千葉市では終活に関する講演会の他、終活に関する検討会を通じておひとりさま支援の手引きを作成したと聞いています。
意思決定支援や、終末期のケアを行うため、支援の経過を把握し、場面ごとに利用できる制度などの情報を提供し、有益な選択が行えるよう支援する必要があります。 おひとりさまを看取る際に、支援する専門家向けに制作されたとのことですが、家族内でも「もしものとき」を想定した話し合いができていないケースが多くある今、同様の支援がおひとりさまでなくとも必要です。

今後、終末期に関わる支援者がタイミングを見計らって「人生会議」を家族に促せるよう、基礎知識の習得と家族支援に向けた研修など迅速に進めていただくよう要望します。

多世代の居場所について2

 

私は様々な困難は孤立・孤独によって重症化すると考えています。

ちょっとした悩みを打ち明ける関係性を持てる地域コミュニティがあれば、様々な問題は解決へ向かうのではないでしょうか。

地域の中に、目的を定めずに誰でも居ることができる場所、多世代の市民を受け入れる居場所はこれから益々必要です。そして、どこまで市が支えられるかが重要です。

質問2-1

地域団体が取り組む、多世代の居場所の立ち上げ・運営等について、千葉市の計画ではどのように位置付けていますか?

答弁 

(保健福祉局健康福祉部地域福祉課)  

第5期千葉市地域福祉計画では、誰もが何らかの役割を持てる場所や機会、気軽に参加できる場の確保や活動への支援が大切であるとの認識のもと、認知症カフェの設置促進や「どこでもこどもカフェ」の開催の支援など、多様な形の居場所の拡充に向けて支援等を行うこととしています。  

また、具体的な地域の取組みは「区支え合いのまち推進計画」で定めておりますが、現在中間見直しを行っているところであり、その中で世代間交流の場の提供などに取り組むことが盛り込まれる見込みです。

市が促進するのは、認知症関係者向け、子ども向けなど、目的や対象者別の居場所の設置であり、現時点で多世代交流は事業として進める位置づけは無いと了解しました。

 

以前質問をした際には、NPOや任意団体が地域福祉を担うための計画の位置づけが明確でなかったのですが、現在の第5期千葉市地域福祉計画の中では市民活動団体、NPOなども地域福祉を担える体制構築が明確に位置づけられておりいっぽ前進していることは確認できました。

 

 

 

運営支援について

これまでの質問でも地域の居場所・拠点について扱ってきましたが、多様な居場所それぞれの事業について答弁いただくことが前提で、今回のような多世代の居場所づくりとなると、特に担当される部署がない状況でした。私の周りには、多世代の居場所を作りたいとの声が多くあります。市民が居場所を立ち上げるためには、

 

市の補助金があるか、立ち上げの相談はどこにしたらよいか、告知の協力はしてもらえるかなど、様々な情報を必要としています。

 

 

 

質問2-2

市内で居場所を作るなど地域で活動する団体に必要な情報を一覧化することについての見解を求めます。

答弁 

(市民局市民自治推進部市民自治推進課)  

地域で活動する団体がより活動しやすい環境づくりを進めるため、様々な団体の情報や本市の支援制度の情報を集約し、提供する仕組みとして、今年度から全6区の地域活動支援プラットフォームのホームページに情報を掲載することで、「地域の見える化」の取組みを開始したところです。

現在、議場ではwebページをスライドでお見せすることができませんので、みなさまそれぞれのモバイル機器でご覧になっていただければと思いますが、地域活動支援プラットフォーム 千葉と入力いただくと、今ご答弁があったホームページがご覧になれます。

ぷらっとCHUO>が検索ですぐご覧になれると思いますが、こちらは中央区のページになっていまして、6区それぞれぷらっと●●というページが作成されているのが確認できます。 各区のページの最初にこのように書かれています。

地域活動は、多くの活動主体が強みを持ち寄りながら連携することが求められる時代になっています。私たちは、地域で活動する団体の情報収集や情報発信等を通じて、継続的な団体運営をサポートします。

これまで地域活動は自治会、社会福祉協議会の地区部会、青少年育成委員会などで活動が進められてきました。地域の担い手が不足するなかで、地域運営委員会の設置を通して連携強化に取り組まれてきましたがリーダーが不在の地域や逆に複数いて調整が上手くいかない地域は個々の取り組みが連動しない状況がありました。

今後は地域支援プラットフォームの構築に向けて、地域担当職員が今年度から配置されたこと、大変期待をしております。

 

地域には自治会・町内会などの地縁団体の他に、社会福祉協議会の地区部会があります。

またこれらの公的な仕組みには属していないNPOや企業、小さな任意団体等、様々な団体があります。活動場所としても、学校、公民館など公的施設の他、地域交流スペースを持つ福祉施設があります。

更に、金銭的な支援としては、「どこでもこどもカフェ事業」「認知症カフェ」などへの補助や「各区地域活性化支援事業」を行っているほか、社会福祉協議会の「地域ふくし力アップ助成金」や「テーマ別地域生活課題解決応援助成」で居場所に関する助成がありました。

もちろんそれ以外にも民間の助成金情報が社会福祉協議会や市民活動支援センターには届きます。

 

支え合いのまち千葉 推進計画の資料の部分にはこのような団体、場所、補助金の情報が一元化されて添付されていました。

日頃から居場所作りにこだわっている一人である私でも今回の質問作りの中で調べてみて初めて知りましたので、この部分を市民の方へ紹介したことがありませんでした。

せっかく用意していただいても活用されなくては意味がありません。

多岐にわたる情報をできる限り一元化し、わかりやすく見せていくとともに、活用してもらえるための周知が求められます。

高齢者向けの支え合いや買い物支援、居場所作り等目的別に情報をまとめるなど、実用性のあるプラットフォームとしてください。

縦割りとなりがちな情報の全体像を理解し、市民の要望に合わせ的確に周知し後方支援がおこなえるよう地域担当職員育成にも力を入れてください。

 

また、前回も提案で申し上げましたが、認知症カフェとどこでもこどもカフェなど複数の機能を持つ居場所がある場合に、行っている事業の補助金がそれぞれ申請ができるかを各局に確認したところ、補助金等交付規則で全庁統一的に複数申請はできないものと認識しているとのことから調査したところ、複数申請ができないことは定められていませんでした。

地域のボランティア団体で地域活動の費用を市民の善意による持ち出しで行う活動としないためにも、活動内容に見合った補助金が出せるように複数事業にあたる活動をしている際には重複して補助を受けられるよう見直しが必要です。

居場所の見える化

すでに市内各所には様々な居場所があります。見える化することで、市民が訪れやすくなりますし、今後、居場所を開いていこうと考える人にとっても参考になります。

 

地域担当職員が今後地域を丁寧に見ていく活動の中で、居場所を把握しリスト化することで共有する仕組みが必要ではないでしょうか。

 

質問2-3

区役所を中心とした地域支援プラットフォームの構築の中で居場所のリストやマップを作成していくことに関して見解を伺います。

答弁 

(市民局市民自治推進部市民自治推進課)

現在、生活支援サイトやこども食堂の一覧など、庁内関係部門が把握している居場所等に関する情報を各区の地域活動支援プラットフォームのホームページにリンクを張るなど集約し、情報提供に努めているところです。  

また、地域担当職員が新たに把握した居場所などの情報につきましては、庁内関係部門に情報を提供し、共有して参ります。

現在はどこでもこどもカフェマップ、生活支援サイトでの通いの場等のリストやマップがあります。高齢者対象の情報サイトである、「生活支援サイト」でキーワード検索に「子ども」と入れると私が今後増やしていくとよいのではないかと提案している「多世代の居場所」を一部ピックアップすることができました。

検索結果には、花園みんなのカフェTOMO、地域食堂みんなのテーブル、ふれあいサロンほっと、おはなしの部屋どんぐり、みんなでラジオ体操 子どもたちの森公園など子どもから高齢者まで参加できる活動団体を探すことができました。

このような居場所を地域ごとに見られるマップやリストが必要です。

また、管理不全空家の調査把握を業務委託することが予算化されています。空き家については区役所が窓口となります。

地域の居場所としての空家の活用も視野に入れ、地域づくりをお願いします。

 

また、以前の質問でも要望しておりますが、地域の拠点や居場所としてすでにある自治会館の活用状況も調査することを要望します。

 

多世代の居場所になりうるコミュニティカフェ について

現在は目的をつくらずに多世代の居場所を運営しようとすると、使える公的な補助金は各区地域活性化支援事業のみですが継続性がありません。

やればやるほど赤字になることの多い居場所事業は継続が難しく、営業の形式をとって居場所を作ろうとする市民もいます。

スライド2
スライド2

<スライド②>のように、カフェを地域の拠点として活用するコミュニティカフェが地域に増えており、それぞれの特徴ある取り組みが様々な世代で利用されています。

左写真がマルシェ、右写真は子育てサークルで活用されております。

同じ場所です。

スライド3
スライド3

<スライド③>写真左のようなBOX販売によって地域の個人又は福祉事業者の作品、お菓子などの委託販売、右の写真のように地域情報としてチラシ等の配架、フリマ的なリサイクルや譲りますコーナーなど地域の活動を応援する取り組みでコミュニティカフェは営利を目的とせず、居場所として機能しています。

質問2-4

コミュニティカフェなどの地域活動に関連する情報を提供していくことについてご見解を伺います。

答弁 

(市民局市民自治推進部市民自治推進課)

多様な主体の連携により、地域課題解決につながる情報については、必要に応じて庁内関係部門で情報共有するとともに、地域活動支援プラットフォームのホームページ上に掲載し、広く情報を提供して参ります。

飲食を楽しむことがメインではない飲食店は地域福祉の拠点であると位置づけ、応援していく姿勢があってよいのではないかと思います。

市民活動支援センターに相談すると、起業家支援のメニューなどが紹介してもらえますが、地域活性化支援事業の担当から紹介することはあるのでしょうか。

地域福祉の拠点となりうるコミュニティカフェを増やすことも多世代で集う居場所を増やすことになりますので、ぜひ市民活動支援センターとの連携をお願いします。

 

また、このようなコミュニティカフェはコミュニティビジネスの一例です。

コミュニティビジネスとは、地域の人材やノウハウ、施設、資金などの地域資源を活かしながら地域課題の解決に「ビジネス」の手法で取り組む事業モデルをいい、地域における新規創業や雇用創出、働きがい、生きがいを生み出し、地域経済や地域コミュニティの活性化に寄与するものとして期待されています。

千葉市ではコミュニティビジネス普及推進を目的としてシンポジウムを行っているとのことですが、今後はより具体的な支援内容の充実を求めます。

 

また、居場所リストやマップは紙媒体での活用も有効な場合も多いですが、情報を蓄積し、常に新しい情報へ更新するためにはweb上で確認できることが望ましいです。

みたい情報種別にチェックして表示できるようなハザードマップのようなデジタル版での作成をぜひご検討いただけたらと思います。

 

地域活動を応援する体制

住民主体で行われる地域福祉に資する活動を支援する体制として、市の地域担当職員の配置、各区2名ずつの配置となったコミュニティソーシャルワーカーの役割期待は大きいですが、

質問2-5

地域担当職員やコミュニティソーシャルワーカーによる様々な主体との連携状況、好事例について具体的な事例をお示しください。

答弁 

(市民局市民自治推進部市民自治推進課)

(保健福祉局健康福祉部地域福祉課)

地域担当職員による地域活動の支援を進めていくため、地域担当職員と、学校、公民館、社会福祉協議会、あんしんケアセンターなど地域とつながる機関との関係構築を進めているところです。

関係構築を進めていく中で、より情報の共有化が深められたり、課題解決に向け連携して対応する事例も出ております。

例として、高齢者支援について町内自治会から相談を受けた地域担当職員が、あんしんケアセンターや生活支援コーディネーターにつなぎ、町内自治会に対して課題解決に向けた提案が行われた事例がありました。

一方、市社会福祉協議会のコミュニティソーシャルワーカーが行う個別支援の中で確認できた生活課題を解決するため、こども食堂や中高生の居場所づくりなどを含め、地域資源の掘り起こしなど、地域で活動する方々との連携を図っているところです。

地域で活動する方々との連携として、シニアリーダーや、子ども食堂など居場所を運営する市民など地域福祉へのつなぎ目になる市民との連携強化に努められるとのことは大いに期待しています。

 

孤独対策としての居場所の役割

質問2-6

居場所に来た人の抱える課題を把握し、必要なつなぎやサポートを行う担い手を育成していく必要性についてどう考えていますか?

答弁 

(保健福祉局健康福祉部地域福祉課)  

地域のボランティアにより運営されているサロンなど、地域の居場所には、民生委員や社協が配置しているコミュニティソーシャルワーカーなどが関わりを持っているケースも多くあります。  

このような方々が、参加者が抱える課題など、ボランティアの皆さんの気づきを受け止め、必要に応じて保健福祉センターの担当課やあんしんケアセンターなどに情報を寄せて下さっています。  

今後も、課題を把握した場合に必要な支援につながるよう、地域において様々な形の担い手が増えるような取組みを検討して参ります。

地域の方は地域での見守りの中で、困難を抱える人を見つける感度を上げ、窓口としっかり繋がることが求められますが、本質的な支援を行う責任は負えません。

相談に行くことが困難な方をどう支援していくのか、地域の居場所へ市・社会福祉協議会担当者が直接アウトリーチできる体制も必要となります。

質問2-7

コミュニティソーシャルワークの機能強化をするとのことでしたが、現状と課題について伺います。

答弁 

(保健福祉局健康福祉部地域福祉課)  

コミュニティソーシャルワーカーが各区2人体制となったことにより、チームによるアプローチが可能となり、地域活動の新規立ち上げなどの支援の強化を図って参りました。  

地域課題解決に向けては、コミュニティソーシャルワーカーや生活支援コーディネーターなど様々な担い手が連携して対応する必要がありますが、これまでは地域で活動する方がそれぞれの人脈に頼った活動にならざるを得ませんでした。

このため、昨年10月に開設し、市と市社協が一体で運営している福祉まるごとサポートセンターがこれらの担い手のハブとなり、同行訪問や役割分担をし、連携することにより、コミュニティソーシャルワークの機能強化を進めて参ります。

 

 

複雑困難化する地域の課題を解決するため、縦割り行政の横串を指す福祉まるごとサポートセンターの担う役割には大変期待をしておりますが、各区コミュニティソーシャルワーカー、地域担当職員にも福祉まるごとサポートセンター的な役割が期待されるのではないでしょうか。

 

 

 

支え合いのまち千葉 推進計画の中間見直しには、地域の居場所へのアウトリーチの拡充と、地域住民等による相談体制づくりへの支援として区役所を中心とした地域支援プラットフォームの構築が挙げられています。相談から支援に繋げる大事なハブとして地域担当職員の活躍に期待いたします。

 

 

すべての女性がその人らしく暮らすための支援について3

 

困難女性支援法

新たに施行される「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」いわゆる「困難女性支援法」では、女性の福祉の増進を目的とし、関係機関や民間団体の協働により、多様な支援を早期から切れ目なく包括的に実施することが規定されており、地方公共団体にはアウトリーチや居場所の提供、相談支援などが求められています。

本市はこれまでの婦人保護事業や女性のためのつながりサポート事業などの取り組みを基本としつつ、昨年、国が定めた基本的な方針や、県基本計画の策定等の動向を注視しながら、関係機関や民間団体と協働した取り組みの方向性について検討する段階と認識しております。

 

昨年、県では千葉県困難な問題を抱える女性への支援に係る検討会議が行われ、困難女性支援法に基づき、県が策定する「千葉県困難な問題を抱える女性への支援のための施策の実施に関する基本的な計画」に係る施策の企画等について協議されています。

本年2月定例県議会において3500万円の予算が計上されており、千葉県困難な問題を抱える女性支援基本計画(案)に関する意見募集が2月末で終了しました。

県の検討会議の委員に民間支援団体の代表者として本市の一般社団法人マザーズ・コンフォート代表者が参加していましたが、千葉市においても困難女性支援法に則した支援調整会議の設置及び基本計画策定が必要と考えます。

質問3-1

千葉県困難な問題を抱える女性支援基本計画(案)に関するこれまでの本市の関わりと今後の方向性について伺います。

答弁 

(市民局生活文化スポーツ部男女共同参画課)

(こども未来局こども未来部こども家庭支援課)

計画案の公表後、県が先月末まで募集していたパブリックコメントと同時期に行われた市町村への意見照会において、「県の役割の明確化」や「支援調整会議の在り方」など、本市の意見を提出しております。

困難な問題を抱える女性への支援に関する法律、いわゆる困難女性支援法において、市町村が計画を策定する場合には、都道府県基本計画を勘案するとされていることから、今後は、県が策定する基本計画や実施される事業の内容を踏まえ、本市での計画の必要性や事業内容を検討して参ります。

県での困難女性支援法に則した事業内容が不透明な中、国の交付金を活用し、本市がマザーズ・コンフォートに委託しておこなってきたつながりサポート支援は対象者の状況を考えると継続的な取り組みが必要です。

質問3-2

来年度の女性のためのつながりサポート事業について、事業内容と予算額についてお聞きします。

答弁 

(市民局生活文化スポーツ部男女共同参画課)

来年度は、相談事業や居場所の提供、訪問支援、同行支援に加え、相談事業の一環として配布する生理用品の調達をNPO等に委託して実施するほか、様々な不安や悩みの相談に応じる「女性専門家による相談会」を開催するなど、今年度と同様の事業を予定しております。

予算額は、女性のためのつながりサポート事業全体で、1,438万円を計上しております。

今年度と同様の事業内容、予算額であると理解いたしました。

 

民間事業者代表として参加されているマザーズ・コンフォート担当からは、アウトリーチ支援をすることで困難に陥る前の未然防止の活動がとても効果的であると聞いています。

アウトリーチ支援が現在は市の委託事業としての位置づけとなっておらず、事業者の自主事業となっており課題と考えます。

来年度の県委託事業の状況を捉え、本市がこれまで行ってきたつながりサポート事業からどのように事業分担を行い、広域での女性支援を確立させていくのか、アウトリーチ活動を県と協働で位置付けることができないかなど、令和7年度に向けて来年度中に県と協議を進めることを求めます。

困難女性支援法の対象となる人には困窮、性風俗等に係る問題、若年妊娠、精神疾患等様々な分野にわたります。

質問3-3

千葉市において困難女性支援法の対象となる人への支援は現在どのような取り組みを行っていますか?

答弁 

(市民局生活文化スポーツ部男女共同参画課)

(保健福祉局健康福祉部健康支援課)

(こども未来局こども未来部こども家庭支援課)

本市では、女性の抱える様々な悩みについて、市男女共同参画センターや各区保健福祉センターこども家庭課・健康課で広く相談に応じているほか、デートDV予防啓発リーフレットの作成・配布、女性のためのつながりサポート事業を実施しております。

ご答弁では相談に乗ったあとの実際の支援に関しては、女性のためのつながりサポート事業を実施しているのみとのご回答です。実際には各部署がそれぞれの業務範囲の中でできることを行っていると考えますが、明確に支援を示せる状況ではないと理解しました。狭間に落ちて支援ができない状況があるなかで今回の困難女性支援法の施行となっています。困難を抱える原因は様々で複雑多岐にわたり、これまでの傷つき体験から公的支援を避ける傾向があるため、アウトリーチでの支援、しかも支援を前面にださない寄り添い支援、息の長い支援が重要です。

 

 

 

これまで妊娠期の困難を抱える女性への支援は、児童虐待防止との関連から児童福祉分野が担当しています。例えば産む/産まないの意志決定支援は、母子保健と大きく絡む内容であるにもかかわらず、最終決定は児童相談所です。特定妊婦への支援は児童福祉法で定められた中での支援となり、女性自立の視点での支援に繋がりにくさを感じてきました。女性がなぜ困難を抱えるかの原因にまで配慮がされず、理解されない状態での支援の中では、女性は心を閉ざし、ますます支援から離れ重症化していきます。

 

 

 

今回の困難女性支援法の施行に伴い、改正児童福祉法でも特定妊婦等生活支援事業など千葉市では取り組めていない新たな事業が予算化されます。また、これまでの売春防止法の下で設置されていた婦人保護施設は根拠法が困難女性支援法となり、女性自立支援施設と名称が変更されることにより、今定例会においても条例提案がなされております。委員会審議の中でも条例の内容だけでなく、今後女性自立支援施設が千葉市にとって必要かどうかの議論が必要ではないかとの意見が出ていました。4月からの困難女性支援法施行にあたり、千葉市全体での女性支援のあり方については、これまで支援を重ねてきた実績のある民間団体との連携を核として、母子保健、児童福祉、居住支援、自立支援など多面的な支援を組み立てる必要があります。

 

豊島区では2021年より「すずらんスマイルプロジェクト」として生きづらさを感じる10代から20代の若い女性を支援するため、子育て関係、人事、総務、広報、男女平等推進センター、自立支援、教育など、複数の課が部を超えて連携した区役所横断組織のプロジェクトが立ち上げられ、千葉市と同様の女性のつながりサポート事業によって、20226月より様々な民間団体と連携した女性支援の専用ページが作成されました。

 

 

 

千葉市要保護児童対策及びDV防止地域協議会、いわゆる要対協ではない、困難を抱える女性の真の自立につながる支援を検討していくためには、連携の母体となる支援調整会議を千葉市でも持つことが必要ではないでしょうか。

 

産前産後への支援について

女性にとって一番の転換期となる妊娠をさかいとした 『産前産後への支援について』伺います。

母子健康包括支援センターにおける専門職の資質向上や配置推進は、丁寧な支援を行うに充足している状況でしょうか。

質問3-4

この4年間における事業内容の変化とそれに伴った人員強化がなされてきたか、伴走型相談支援の現状と課題について合わせご説明ください。

答弁 

(保健福祉局健康福祉部健康支援課)  

母子健康包括支援相談員は、昨年度の産後ケア事業日帰り型や出産・子育て応援プラン事業の開始、今年度の産婦健康診査事業の開始などのため、増員を図ってきており、現在は22 人となっております。

出産・子育て応援プラン事業の開始に併せ、伴走型相談支援を強化するため、全ての妊婦に妊娠後期面接を実施することとしましたが、実施は約半数に留まっており、今後は、より多くの方に面接を受けていただくよう、アウトリーチ型の支援など実施方法を検討して参ります。

スライド4
スライド4

2019年第4回定例会の一般質問で産後うつの発症を削減するために産後健診への助成をして医療機関と連携して支援することを求めておりましたが、ようやく本年度から産婦健診への助成が始まり評価しています。

質問3-5

産婦検診の受診状況と、産後うつの予防や早期発見という目的に対しての効果、支援への接続状況について伺います。

答弁 

(保健福祉局健康福祉部健康支援課)  

産婦健診の費用助成件数は、昨年10月から開始したばかりであり、現在集計中です。

産後うつは、これまでは医療機関からの任意の連絡や出産後の訪問時に把握しておりましたが、産婦健診開始以降は、医療機関から各区健康課へ支援が必要との情報提供件数が117件、その内、産後うつの疑いのあるケースは30件と、これまでより早く把握できるようになったと感じております。

早期の把握につながっている可能性があり、重篤化する前に支援に繋げていただきたいと思います。

 

質問3-6

支援会議の実施について、産科だけでなく精神科も含めた医療機関等、関係機関間での情報共有と意見交換を行う予定と聞いておりましたが、その後の進捗状況と課題について伺います。

答弁 

(保健福祉局健康福祉部健康支援課)  

産婦健診の実施に当たり、産後うつの診療に力を入れている市内7か所の精神科医療機関に対し、産科医療機関から直接産婦を繋ぐことなどの協力を依頼し、了承を得たところです。  

今後、個別支援に係る会議の開催など、精神科や産科医療機関等との連携を深めていきたいと考えております。

日頃からの連携のための取り組み強化をお願いします。

困難を抱える妊婦の支援決定までの判断

困難を抱える妊婦を的確にとらえていくためには、アセスメントが重要です。

予期せぬ妊娠、若年妊娠、精神疾患やDVの問題等を抱えている特定妊婦の場合は、出産前から支援を行うことが特に必要とされ、要保護児童対策地域協議会における支援対象と位置付けられます。

それ以外にも出産に対する不安や経済的な問題があり、保健師の支援や福祉サービス等の利用をしながら養育していく社会的ハイリスク妊婦も見極めていく必要があります。

スライド5
スライド5

スライドは要支援妊婦、特定妊婦の推移ですが、妊娠届出数は大きく減少しているにも関わらず、支援が必要な妊婦の数は増加傾向です。

特定妊婦については全国的にも基準が不明確であることが問題視されており、

質問3-7

千葉市においても以前の答弁では、特定妊婦、社会的ハイリスク妊婦と認定するためのリスクアセスメント判断基準について一定ではないことが課題となっていました。

その後の状況について伺います

答弁 

(保健福祉局健康福祉部健康支援課)  

昨年末から、国立成育医療研究センターがリスクアセスメント判断基準の標準化に向けて作成したアセスメントシートを一部の区で試行的に活用しており、今後、現場での活用状況を検証し、全市的な導入に向け検討を進める予定です。

以前の質問で、精神疾患を抱える妊産婦への支援として、医療機関受診の同行、子どもの養育支援として保育所への入所や家事支援、福祉サービスの利用に向けた手続き同行などの必要性に触れてきました。

福祉サービスを家庭に入れたくても、開始時に医師の診断が必要ですが、受診拒否したり、福祉サービスを拒む母親も多く、支援する手段がないことが問題であると伺っていました。

来年度予算で新規事業として提案されている「子育て世帯訪問事業」には大変期待をする一方で、10~15世帯への支援を検討しているとのことで、特定妊婦の数をみても足りるとは思えません。

効果をみての判断とのことですが、更なる拡充が必要であると考えます。厚生労働省では、特定妊婦の急増から対策が急務となっており、特定妊婦等支援事業として1施設あたり運営費2800万円の補助が新設されています。

政令市にも設置できるもので、母子生活支援施設、乳児院、婦人保護施設、医療機関、その他妊産婦支援を一元的に行う場所として適当と認めた場所とされております。

千葉市には母子生活支援施設はありますが、現時点では妊婦の入所を認めておらず、一時生活支援施設に妊婦も入れるが、適切な支援ができる設備ではなく、妊娠中の生活支援を行う専用の場所を持っていないのが実情です。

今回の法施行に合わせ千葉市に足りない事業の創設含め、多面的な支援となるよう検討が必要です。

 

多胎児支援 多胎児支援について

多胎児支援 多胎児支援については、これまで一般質問や会派の代表質疑でも取り上げてきました。

多胎児家庭に特化したサービスについて「多胎妊産婦サポーター事業」などの補助事業が国メニューとして創設されていることから、アンケート調査を行った上でニーズの高いサービスの実施に向けて検討するとのこと伺っておりました。

調査結果では、多胎児育児に特化した情報共有と外出時の移動支援、多胎児家庭との交流への希望が多かったと認識しております。

情報提供や交流の強化に取り組まれ、エンゼルヘルパー事業において回数が増枠されているほか、来年度は費用が軽減対象となると伺い、多胎児育児支援の拡充を評価するところです。

一方、外出時の移動支援は更なる拡充を期待します。

質問3-8

国補助メニューである多胎妊産婦サポーター事業他、タクシーチケット給付などの移動支援についての検討状況について伺います。

答弁 

(保健福祉局健康福祉部健康支援課)  

多胎児家庭において移動支援についての要望があることは承知しておりますが、昨年度から出産・子育て応援プラン事業で給付を始めたところであり、その使途の一例としてタクシー代等に充てていただくことを想定しております。  

多胎児家庭に特化した移動支援については、今後も先行して実施している都市の情報収集に努めて参ります。

ご答弁の給付は子育て世帯へ一律に支給されたものであり多胎児育児支援として強化されたものではありません。

障がい者向けのタクシー補助事業と同様のしくみで一定期間だけでも制度化できないでしょうか。

多胎児用のベビーカーを利用しての通院や行政手続きなど、想像を絶する大変さです。ぜひご検討を要望いたします。

スライド6
スライド6

産後ケアについて

産後の女性を孤立させないために大変重要であるため、これまで何度も取り上げてきました。グラフのように産後ケア利用実績は出生数が減る中でも伸びており、需要が大きいことが分かります。

利用期間の延長は利用される産婦のみなさんの強い要望でしたので1年に伸びて大変喜んでいます。

ただ、事業者からは不安の声も聞かれます。これまでは4か月までの乳児を預かりながら母体へのケアを行ってきましたが、5か月以降の乳児は活動が活発となり、母体ケアを安心して行うためには保育者が必要となることも想定されます。

質問3-9

保育の安全性を担保した上での事業拡充となっているか、ご見解を伺います。

答弁 

(保健福祉局健康福祉部健康支援課)  

ご指摘のとおり、生後5か月以降はお子さんの活動が活発となることから、母体のケアを行う際は事故防止に十分留意する必要があります。

訪問型サービスは利用者の自宅で行われることから、安全確保については事業者と利用者双方に十分周知をする必要があると考えております。

事業者説明会の際に、安全性の担保について注意喚起を行うとともに、利用者に対しても利用登録の際などに周知して参ります。

 

今回は訪問型のみでの期間延長であり、安全管理は訪問世帯の責任になることがわかりました。

今後、宿泊型や日帰り型においても1歳までのサービス提供となることが望ましいと考えますが、保育にかかる費用が事業者負担となり、事業費を圧迫することが想定されるため導入が難しいのだと判断しました。

 

すべての産後ケアを1歳まで延長するためには、補助金額の設定を再検討をするか、保育との一体的な制度設計が必要です。

エンゼルヘルパーと同時にケアを行うなど、運用でカバーすることも含め、1歳までのサービス利用拡充を安全に行えるよう制度の改善をお願いします。

 

最後に

 要 望
 女性のためのつながりサポート事業から困難女性支援法に切り替わるタイミングで支援が切れないよう、更にこれまで民間団体の自主努力で行われているアウトリーチ、緊急一時保護、妊産婦等生活援助事業等についても、県と連携した広域での支援体制が必要とされています。
すべての女性が支援にこぼれ落ちることなく、自立した生活に向けて一歩を踏み出し、歩き続けられるように、産前産後も含め切れ目ない寄り添い支援の構築に向けた体制づくりを強く要望して私の一般質問を終わります。